初心者向け No.23

ワードカウンター

テキストの文字数・単語数・行数と頻出単語TOP10を分析するツール。文字列処理の実践的な活用例を学びます。

🎯 難易度: ★☆☆ 📦 ライブラリ: tkinter(標準ライブラリ) ⏱️ 制作時間: 30〜90分

1. アプリ概要

テキストの文字数・単語数・行数と頻出単語TOP10を分析するツール。文字列処理の実践的な活用例を学びます。

このアプリはツールカテゴリに分類される実践的なGUIアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ) で、難易度は ★☆☆ です。

このアプリは「ツール」カテゴリです。日々の作業を自動化する実用ツールは Python が最も得意とする領域です。短いコードで実用性のある成果物が作れる点が魅力です。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。

コピー&実行で動作確認 → コード解説で構造理解 → カスタマイズで応用、の 3 ステップで進めると、短時間で本質を押さえられます。

アプリを完成させた後は、自分の使い方に合わせて改造するのが学びを定着させる近道です。カスタマイズ章のアイデアを足がかりに、独自機能を一つ追加してみてください。

ワードカウンター 実行画面(Windows)
実行画面(Windows)
ワードカウンター 実行画面(Linux Mint)
実行画面(Linux Mint)

2. 機能一覧

  • 「分析する」ボタン(analyze())で操作
  • messagebox.showwarning() によるダイアログ通知
  • ウィンドウはタイトル「ワードカウンター」・サイズ 540x500 で起動

3. 事前準備・環境

ℹ️
動作確認環境

Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)

Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。

  • Python 3.10 以上
  • OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)

4. 完全なソースコード

💡
コードのコピー方法

右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。

追加インストール不要(標準ライブラリのみ使用)
app23.py
import tkinter as tk
from tkinter import ttk, messagebox
import re
from collections import Counter


class App23:
    """ワードカウンター"""

    def __init__(self, root):
        self.root = root
        self.root.title("ワードカウンター")
        self.root.geometry("540x500")
        self.root.minsize(540, 500)
        self.root.configure(bg="#f8f9fc")
        self._build_ui()

    def _build_ui(self):
        title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
        title_frame.pack(fill=tk.X)
        tk.Label(title_frame, text="ワードカウンター",
                 font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
                 bg="#3776ab", fg="white").pack()

        main_frame = tk.Frame(self.root, bg="#f8f9fc", padx=20, pady=12)
        main_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        # 入力
        input_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="テキストを入力", padding=8)
        input_frame.pack(fill=tk.X, pady=(0, 8))
        self.text = tk.Text(input_frame, font=("Noto Sans JP", 11), wrap=tk.WORD,
                            bg="white", height=7, padx=6, pady=6)
        self.text.pack(fill=tk.X)

        ttk.Button(main_frame, text="分析する", command=self.analyze).pack(pady=(0, 8))

        # 統計
        stats_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="テキスト統計", padding=10)
        stats_frame.pack(fill=tk.X, pady=(0, 8))

        self.stats_labels = {}
        bg_color = self.root.cget("bg")
        for col, (title, key) in enumerate([
            ("文字数", "chars"), ("単語数", "words"), ("行数", "lines"), ("文数", "sentences")
        ]):
            tk.Label(stats_frame, text=title, bg=bg_color,
                     font=("Noto Sans JP", 10), fg="#666").grid(row=0, column=col, padx=16)
            lbl = tk.Label(stats_frame, text="0", bg=bg_color,
                           font=("Noto Sans JP", 18, "bold"), fg="#3776ab")
            lbl.grid(row=1, column=col, padx=16)
            self.stats_labels[key] = lbl

        # 頻出単語
        freq_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="頻出単語 TOP10", padding=8)
        freq_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
        self.freq_text = tk.Text(freq_frame, font=("Courier", 11),
                                 bg="white", relief=tk.FLAT, state=tk.DISABLED, height=6)
        self.freq_text.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

    def analyze(self):
        content = self.text.get("1.0", tk.END).strip()
        if not content:
            messagebox.showwarning("警告", "テキストを入力してください")
            return

        chars = len(content)
        words = content.split()
        lines = content.count("\n") + 1
        sentences = len(re.split(r'[。!?!?.]+', content))

        self.stats_labels["chars"].config(text=str(chars))
        self.stats_labels["words"].config(text=str(len(words)))
        self.stats_labels["lines"].config(text=str(lines))
        self.stats_labels["sentences"].config(text=str(sentences))

        # 頻出単語
        clean_words = [re.sub(r'[^\w]', '', w).lower() for w in words]
        clean_words = [w for w in clean_words if len(w) > 1]
        counter = Counter(clean_words)
        top10 = counter.most_common(10)

        lines_text = ["順位  単語                    回数"]
        lines_text.append("-" * 36)
        for rank, (word, count) in enumerate(top10, 1):
            lines_text.append(f"  {rank:2d}  {word:<22}  {count:3d}")

        self.freq_text.config(state=tk.NORMAL)
        self.freq_text.delete("1.0", tk.END)
        self.freq_text.insert("1.0", "\n".join(lines_text))
        self.freq_text.config(state=tk.DISABLED)


if __name__ == "__main__":
    root = tk.Tk()
    app = App23(root)
    root.mainloop()

5. コード解説

ワードカウンターのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。

クラス設計とコンストラクタ

App23 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド3個・全96行)。__init__ ではタイトル「ワードカウンター」とウィンドウサイズ 540x500 を設定します。最後に _build_ui() で画面を組み立てます。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

ウィジェット構成

画面は tk.Frame×2・tk.Label(ループで生成)・ttk.LabelFrame×3・tk.Text×2・ttk.Button で構成しています。見出し付きの枠(LabelFrame)は「テキストを入力」「テキスト統計」「頻出単語 TOP10」のラベルでエリアを区切っています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

イベント処理とボタンの接続

「分析する」ボタン(analyze())を command= で接続しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

6. ステップバイステップガイド

このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。

  1. 1
    ファイルを作成する

    新しいファイルを作成して app23.py と保存します。使うのは collectionsretkinter だけなので、追加インストールは不要です。

  2. 2
    クラスの骨格を作る

    App23 クラスを定義し、__init__ と、末尾の root = tk.Tk()mainloop() の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。

  3. 3
    ウィンドウを設定する

    title("ワードカウンター")geometry("540x500")configure(bg="#f8f9fc")minsize(540, 500) をコンストラクタで設定します。

  4. 4
    画面部品を並べる

    _build_ui() の中で、tk.Frame×2・tk.Label(ループで生成)・ttk.LabelFrame×3・tk.Text×2・ttk.Button を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。

  5. 5
    イベントを接続する

    「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを command= で対応するメソッド(analyze())につなぎます。

  6. 6
    中心になるメソッドを実装する

    アプリの本体である analyze()(31行) を実装します。

  7. 7
    動作確認する

    python app23.py で起動し、各ボタンが反応することを確認します。

7. カスタマイズアイデア

基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。少しずつ機能を追加することで、Pythonのスキルが飛躍的に向上します。

💡 ダークモードを追加する

bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。

💡 結果をファイルに保存する

このコードに保存処理はないため、表示中の数値や結果はアプリを閉じると消えます。テキストファイルへ書き出して、次回起動時に読み込む機能を追加してみましょう。

💡 入力履歴機能

以前の入力値を覚えておいてComboboxのドロップダウンで再選択できる履歴機能を追加しましょう。

8. よくある問題と解決法

❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う

原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。

解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。

❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない

原因:geometry("540x500") の固定サイズで起動するためです。

解決法:geometry()minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(540, 500) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。

9. 練習問題

アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は定型の発展課題です)。

  1. 課題1:文数の数え方を直す

    文末に「。」を付けると、文数が実際より1つ多く出ます。区切り記号のうしろに残る空の要素を数えないようにしましょう。

    期待結果:「こんにちは。元気ですか。」と入れて「分析する」を押す。いまは文数が 3 と出るが、直したあとは 2 になる。

    合格条件

    • 文末に「。」がある文章でも文数が実際の文の数と合う
    • 「今日は晴れ」のように区切り記号が無いときは 1 のまま
    • 文字数・単語数・行数の値はこれまでと変わらない

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは analyze() の1行です。sentences = len(re.split(r'[。!?!?.]+', content)) を書き換えます。
    ヒント②(使うもの): re.split(...) の結果をいったん変数で受け、[s for s in parts if s.strip()] で空の要素を捨ててから len() を取ります。content は取得時に .strip() 済みなので、前後の空白は考えなくて構いません。
    つまずきやすい点: content.count("。") で数え直す方法もありますが、!? で終わる英文が数えられなくなります。いまの区切りは 。!?!?. の6種類で、末尾の + があるため「あ。。い。」のような連続も1回の区切りとして扱われます。空の要素を捨てる方式なら、この2つをどちらも壊さずに済みます。

  2. 課題2:頻出単語に割合を足す

    TOP10 は回数だけなので、その単語が全体のどれくらいを占めるのか分かりません。回数の右に割合を足しましょう。

    期待結果:「apple banana apple cherry apple banana」と入れて分析すると、apple の行の「3」の右に「50.0%」が出る。banana は 33.3%、cherry は 16.7% になる。

    合格条件

    • 見出し行に「割合」が並び、各行の右に % が出る
    • 単語が1種類だけの文章では 100.0% になる
    • 順位・単語・回数の並びはこれまでどおり

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは analyze() の2か所です。lines_text の先頭に入れている見出しの文字列と、lines_text.append(f" {rank:2d} {word:<22} {count:3d}") の行です。"-" * 36 の横線は、長さを揃えたいときだけ変えます。
    ヒント②(使うもの): 割合は count / len(clean_words) * 100 で求め、f"{...:6.1f}%" のように桁を揃えて末尾に足します。clean_words は記号を落として1文字の語を除いたあとのリストです。
    つまずきやすい点: 分母を words にすると、1文字の単語を含む文章で合計が 100% になりません。clean_wordslen(w) > 1 で1文字の語を捨てているぶん、words より少なくなることがあるからです。「a apple apple」なら words は3個・clean_words は2個で、apple の割合は 66.7% と 100.0% に分かれます。

  3. 課題3:保存機能の追加

    入力値や計算結果をファイルに保存する機能を追加しましょう。jsonやcsvモジュールを使います。

🚀
次に挑戦するアプリ

このアプリをマスターしたら、次のアプリにも挑戦してみましょう。

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