初心者向け No.22

文字数カウンター

入力した文章の文字数・単語数をリアルタイムにカウントするアプリ。テキストウィジェットのイベント処理を学びます。

🎯 難易度: ★☆☆ 📦 ライブラリ: tkinter(標準ライブラリ) ⏱️ 制作時間: 30〜90分

1. アプリ概要

入力した文章の文字数・単語数をリアルタイムにカウントするアプリ。テキストウィジェットのイベント処理を学びます。

このアプリはツールカテゴリに分類される実践的なGUIアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ) で、難易度は ★☆☆ です。

このアプリは「ツール」カテゴリです。日々の作業を自動化する実用ツールは Python が最も得意とする領域です。短いコードで実用性のある成果物が作れる点が魅力です。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。

完成形を見てから細部の解説に進む流れが効果的です。実行→気になる箇所を解説で確認→自分の手で改造、というサイクルで定着が早まります。

カスタマイズ章では具体的な拡張アイデアを示しています。一つ実装するごとに動作確認することで、変更が予期せぬ副作用を起こさないかも体感できます。

文字数カウンター 実行画面(Windows)
実行画面(Windows)
文字数カウンター 実行画面(Linux Mint)
実行画面(Linux Mint)

2. 機能一覧

  • 「クリア」ボタン(lambda: (self.text.delete('1.0', tk.END), self._update()))で操作
  • キー <KeyRelease> から _update() を実行
  • ウィンドウはタイトル「文字数カウンター」・サイズ 811x800 で起動

3. 事前準備・環境

ℹ️
動作確認環境

Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)

Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。

  • Python 3.10 以上
  • OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)

4. 完全なソースコード

💡
コードのコピー方法

右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。

追加インストール不要(標準ライブラリのみ使用)
app22.py
import tkinter as tk
from tkinter import ttk


class App22:
    """文字数カウンター"""

    def __init__(self, root):
        self.root = root
        self.root.title("文字数カウンター")
        self.root.geometry("811x800")
        self.root.minsize(811, 800)
        self.root.configure(bg="#f8f9fc")
        self._build_ui()

    def _build_ui(self):
        title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
        title_frame.pack(fill=tk.X)
        tk.Label(title_frame, text="文字数カウンター",
                 font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
                 bg="#3776ab", fg="white").pack()

        main_frame = tk.Frame(self.root, bg="#f8f9fc", padx=20, pady=12)
        main_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        # 入力エリア
        input_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="テキストを入力", padding=8)
        input_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True, pady=(0, 10))

        self.text = tk.Text(input_frame, font=("Noto Sans JP", 12), wrap=tk.WORD,
                            bg="white", fg="#111", padx=6, pady=6, height=10)
        self.text.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.BOTH, expand=True)
        sb = ttk.Scrollbar(input_frame, command=self.text.yview)
        self.text.configure(yscrollcommand=sb.set)
        sb.pack(side=tk.RIGHT, fill=tk.Y)
        self.text.bind("<KeyRelease>", self._update)

        # クリアボタン
        ttk.Button(main_frame, text="クリア",
                   command=lambda: (self.text.delete("1.0", tk.END), self._update())).pack(anchor="e", pady=(0, 8))

        # カウント表示
        count_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="カウント結果", padding=10)
        count_frame.pack(fill=tk.X)

        self.labels = {}
        items = [
            ("総文字数", "total"),
            ("スペース除く", "no_space"),
            ("改行除く", "no_newline"),
            ("行数", "lines"),
            ("単語数(スペース区切り)", "words"),
        ]
        bg_color = self.root.cget("bg")
        for row, (label, key) in enumerate(items):
            tk.Label(count_frame, text=f"{label}:", bg=bg_color,
                     font=("Noto Sans JP", 11), anchor="w", width=22).grid(
                row=row, column=0, sticky="w", pady=2)
            lbl = tk.Label(count_frame, text="0", bg=bg_color,
                           font=("Noto Sans JP", 13, "bold"), fg="#3776ab",
                           anchor="w", width=8)
            lbl.grid(row=row, column=1, sticky="w")
            self.labels[key] = lbl

    def _update(self, event=None):
        content = self.text.get("1.0", tk.END)[:-1]  # 末尾の余分な改行を除く
        self.labels["total"].config(text=str(len(content)))
        self.labels["no_space"].config(text=str(len(content.replace(" ", "").replace(" ", ""))))
        self.labels["no_newline"].config(text=str(len(content.replace("\n", ""))))
        self.labels["lines"].config(text=str(content.count("\n") + (1 if content else 0)))
        self.labels["words"].config(text=str(len(content.split())))


if __name__ == "__main__":
    root = tk.Tk()
    app = App22(root)
    root.mainloop()

5. コード解説

文字数カウンターのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。

クラス設計とコンストラクタ

App22 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド3個・全77行)。__init__ ではタイトル「文字数カウンター」とウィンドウサイズ 811x800 を設定します。最後に _build_ui() で画面を組み立てます。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

ウィジェット構成

画面は tk.Frame×2・tk.Label(ループで生成)・ttk.LabelFrame×2・tk.Textttk.Scrollbarttk.Button で構成しています。見出し付きの枠(LabelFrame)は「テキストを入力」「カウント結果」のラベルでエリアを区切っています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

イベント処理とボタンの接続

「クリア」ボタン(lambda: (self.text.delete('1.0', tk.END), self._update()))を command= で接続しています。また bind("<KeyRelease>", ...) から _update() を呼べるようにイベントも登録しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

6. ステップバイステップガイド

このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。

  1. 1
    ファイルを作成する

    新しいファイルを作成して app22.py と保存します。使うのは tkinter だけなので、追加インストールは不要です。

  2. 2
    クラスの骨格を作る

    App22 クラスを定義し、__init__ と、末尾の root = tk.Tk()mainloop() の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。

  3. 3
    ウィンドウを設定する

    title("文字数カウンター")geometry("811x800")configure(bg="#f8f9fc")minsize(811, 800) をコンストラクタで設定します。

  4. 4
    画面部品を並べる

    _build_ui() の中で、tk.Frame×2・tk.Label(ループで生成)・ttk.LabelFrame×2・tk.Textttk.Scrollbarttk.Button を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。

  5. 5
    イベントを接続する

    「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを command= で対応するメソッド(lambda: (self.text.delete('1.0', tk.END), self._update()))につなぎます。bind("<KeyRelease>", ...) の登録も忘れずに。

  6. 6
    中心になるメソッドを実装する

    アプリの本体である _update()(7行) を実装します。

  7. 7
    動作確認する

    python app22.py で起動し、各ボタンが反応すること・キー操作(<KeyRelease>)が効くことを確認します。

7. カスタマイズアイデア

基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。少しずつ機能を追加することで、Pythonのスキルが飛躍的に向上します。

💡 ダークモードを追加する

bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。

💡 結果をファイルに保存する

このコードに保存処理はないため、表示中の数値や結果はアプリを閉じると消えます。テキストファイルへ書き出して、次回起動時に読み込む機能を追加してみましょう。

💡 入力履歴機能

以前の入力値を覚えておいてComboboxのドロップダウンで再選択できる履歴機能を追加しましょう。

8. よくある問題と解決法

❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う

原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。

解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。

<KeyRelease> キーを押しても反応しない

原因:bind("<KeyRelease>", ...) はウィジェット単位で登録されるため、ウィンドウ(またはバインド先)にキーボードフォーカスが無いとイベントが届きません。

解決法:一度ウィンドウ内をクリックしてフォーカスを与えてから、キーを押してください。

❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない

原因:geometry("811x800") の固定サイズで起動するためです。

解決法:geometry()minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(811, 800) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。

9. 練習問題

アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は全アプリ共通の定型課題です)。

  1. 課題1:原稿用紙(400字)の枚数を追加する

    カウント結果に「原稿用紙」の行を1つ足します。総文字数を 400 で割った枚数を、切り上げで表示してください。

    期待結果:450文字を入力すると「原稿用紙: 2」と出る。入力欄が空のときは 0 のまま。

    合格条件

    • 400文字ちょうどで 1、401文字で 2 になる
    • 入力を全部消すと 0 に戻る
    • 「クリア」ボタンを押したあとも 0 になる

    ヒント①(どこを触るか): 行の定義は _build_ui()items リスト(いまは5行)です。数値の更新は _update()self.labels[...].config(...) が並ぶ箇所で、この2か所に1つずつ足します。
    ヒント②(使うもの): 切り上げの割り算は -(-len(content) // 400) で書けます。math.ceil() を使うなら import math の追加が必要です。
    つまずきやすい点: ラベルは items のループが自動で作るので、_build_ui() にラベルを直接書き足す必要はありません。items に足したキーと _update() で使うキーがずれると KeyError になります。

  2. 課題2:文字数の上限を決めて、超えたら赤で知らせる

    上限を入力する欄(初期値 140)を作ります。総文字数が上限を超えたら「総文字数」の数字を赤くし、上限以内なら今の青のままにします。

    期待結果:上限 140 のまま 141 文字入力すると「総文字数」の数字が赤くなる。1文字消して 140 文字にすると青に戻る。

    合格条件

    • 上限欄を 10 に書き換えると、11文字目から赤くなる
    • 「クリア」ボタンで空にすると青に戻る
    • 上限欄が空のときや数字以外を入れたときもエラーで落ちない

    ヒント①(どこを触るか): 入力欄は _build_ui() の「クリア」ボタンの近くに ttk.Entry を1つ足します。色の切り替えは _update()self.labels["total"].config(...) の行です。
    ヒント②(使うもの): 赤は config(fg="#e74c3c") のように指定し、元の青は "#3776ab" です。上限の文字列を数値にする int(...)try/except ValueError で囲みます。
    つまずきやすい点: 上限欄を書き換えただけでは _update() は呼ばれません。更新は self.text<KeyRelease> にだけ結び付いているので、上限欄にも同じバインドを足してください。

  3. 課題3:保存機能の追加

    入力値や計算結果をファイルに保存する機能を追加しましょう。jsonやcsvモジュールを使います。

🚀
次に挑戦するアプリ

このアプリをマスターしたら、次のアプリにも挑戦してみましょう。

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