重さ単位変換
kg・g・ポンド・オンスを相互変換するツール。OptionMenuウィジェットと変換ロジックの実装を学びます。
1. アプリ概要
kg・g・ポンド・オンスを相互変換するツール。OptionMenuウィジェットと変換ロジックの実装を学びます。
このアプリは変換カテゴリに分類される実践的なGUIアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ) で、難易度は ★☆☆ です。
このアプリは「変換ツール」カテゴリです。形式変換ツールは入力・処理・出力の三層を明示的に書く好材料で、エラー入力の扱いやバリデーションの基本を体験できます。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。
動かしながら読むことが理解の最短経路です。まずはコードをコピーして実行し、想定どおりに動くことを確認したうえで解説と照らし合わせてください。
カスタマイズでは「機能追加」「UI 改善」「エラー耐性」の三方向で考えると視野が広がります。練習問題にもそれぞれの方向の具体例を用意しています。
2. 機能一覧
- 「変換する」ボタン(
process())で操作 - キー
<Return>からprocess()を実行 messagebox.showerror()・messagebox.showwarning()によるダイアログ通知- ウィンドウはタイトル「重さ単位変換」・サイズ 460x380 で起動
3. 事前準備・環境
Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)
Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。
- Python 3.10 以上
- OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)
4. 完全なソースコード
右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk, messagebox
class App16:
"""重さ単位変換"""
UNITS = {
"キログラム (kg)": 1.0,
"グラム (g)": 0.001,
"ミリグラム (mg)": 1e-6,
"トン (t)": 1000.0,
"ポンド (lb)": 0.45359237,
"オンス (oz)": 0.02834952,
"石 (石)": 120.0 * 0.6, # 1石≒72kg
"斤 (斤)": 0.6,
}
def __init__(self, root):
self.root = root
self.root.title("重さ単位変換")
self.root.geometry("460x380")
self.root.minsize(460, 380)
self.root.configure(bg="#f8f9fc")
self._build_ui()
def _build_ui(self):
title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
title_frame.pack(fill=tk.X)
tk.Label(title_frame, text="重さ単位変換",
font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
bg="#3776ab", fg="white").pack()
main_frame = tk.Frame(self.root, bg="#f8f9fc", padx=24, pady=16)
main_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
input_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="入力", padding=10)
input_frame.pack(fill=tk.X, pady=(0, 10))
tk.Label(input_frame, text="数値:").grid(row=0, column=0, sticky="w", pady=4)
self.entry = ttk.Entry(input_frame, width=16, font=("Arial", 13))
self.entry.grid(row=0, column=1, padx=8, sticky="ew")
self.entry.bind("<Return>", lambda e: self.process())
tk.Label(input_frame, text="単位:").grid(row=1, column=0, sticky="w", pady=4)
self.unit_var = tk.StringVar(value="キログラム (kg)")
ttk.OptionMenu(input_frame, self.unit_var, "キログラム (kg)",
*list(self.UNITS.keys())).grid(row=1, column=1, padx=8, sticky="w")
input_frame.columnconfigure(1, weight=1)
ttk.Button(main_frame, text="変換する", command=self.process).pack(pady=8)
result_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="変換結果", padding=10)
result_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
self.result_text = tk.Text(result_frame, font=("Noto Sans JP", 11),
bg="white", relief=tk.FLAT, state=tk.DISABLED)
self.result_text.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
def process(self):
text = self.entry.get().strip()
if not text:
messagebox.showwarning("警告", "数値を入力してください")
return
try:
value = float(text)
except ValueError:
messagebox.showerror("エラー", "数値を入力してください")
return
from_unit = self.unit_var.get()
kg = value * self.UNITS[from_unit]
lines = [f"【{value:g} {from_unit} の換算結果】\n"]
for unit, rate in self.UNITS.items():
converted = kg / rate
if converted >= 1e6 or (converted != 0 and converted < 1e-4):
lines.append(f" {unit:<22} {converted:.4e}")
else:
lines.append(f" {unit:<22} {converted:,.6g}")
self._show_result("\n".join(lines))
def _show_result(self, text):
self.result_text.config(state=tk.NORMAL)
self.result_text.delete("1.0", tk.END)
self.result_text.insert("1.0", text)
self.result_text.config(state=tk.DISABLED)
if __name__ == "__main__":
root = tk.Tk()
app = App16(root)
root.mainloop()
5. コード解説
重さ単位変換のコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。
クラス設計とコンストラクタ
App16 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド4個・全93行)。__init__ ではタイトル「重さ単位変換」とウィンドウサイズ 460x380 を設定します。最後に _build_ui() で画面を組み立てます。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
ウィジェット構成
画面は tk.Frame×2・tk.Label×3・ttk.LabelFrame×2・ttk.Entry・ttk.OptionMenu・ttk.Button・tk.Text で構成しています。見出し付きの枠(LabelFrame)は「入力」「変換結果」のラベルでエリアを区切っています。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
イベント処理とボタンの接続
「変換する」ボタン(process())を command= で接続しています。また bind("<Return>", ...) から process() を呼べるようにイベントも登録しています。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
例外処理
try-except で ValueError を捕捉しています。あわせて messagebox.showerror()・messagebox.showwarning() のダイアログで、ユーザーへの通知・確認を行います。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
6. ステップバイステップガイド
このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。
-
1ファイルを作成する
新しいファイルを作成して app16.py と保存します。使うのは
tkinterだけなので、追加インストールは不要です。 -
2クラスの骨格を作る
App16クラスを定義し、__init__と、末尾のroot = tk.Tk()~mainloop()の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。 -
3ウィンドウを設定する
title("重さ単位変換")・geometry("460x380")・configure(bg="#f8f9fc")・minsize(460, 380)をコンストラクタで設定します。 -
4画面部品を並べる
_build_ui()の中で、tk.Frame×2・tk.Label×3・ttk.LabelFrame×2・ttk.Entry・ttk.OptionMenu・ttk.Button・tk.Textを作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。 -
5イベントを接続する
「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを
command=で対応するメソッド(process())につなぎます。bind("<Return>", ...)の登録も忘れずに。 -
6中心になるメソッドを実装する
アプリの本体である
process()(23行)・_show_result()(5行) を実装します。 -
7動作確認する
python app16.pyで起動し、各ボタンが反応すること・キー操作(<Return>)が効くことを確認します。
7. カスタマイズアイデア
基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。少しずつ機能を追加することで、Pythonのスキルが飛躍的に向上します。
💡 ダークモードを追加する
bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。
💡 クラス定数を書き換えて動きを変える
データはクラス定数(UNITS)にまとまっています。中身を書き換えて動きが変わることを確かめましょう。複数の定数が対応関係にある場合は、セットで整合させる必要がある点に注意してください。
💡 入力履歴機能
以前の入力値を覚えておいてComboboxのドロップダウンで再選択できる履歴機能を追加しましょう。
8. よくある問題と解決法
❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う
原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。
解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。
❌ <Return> キーを押しても反応しない
原因:bind("<Return>", ...) はウィジェット単位で登録されるため、ウィンドウ(またはバインド先)にキーボードフォーカスが無いとイベントが届きません。
解決法:一度ウィンドウ内をクリックしてフォーカスを与えてから、キーを押してください。
❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない
原因:geometry("460x380") の固定サイズで起動するためです。
解決法:geometry() と minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(460, 380) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。
9. 練習問題
アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は定型の発展課題です)。どちらの課題も新しいライブラリは要りません(数値を入れて「変換する」を押すだけで確かめられます)。
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課題1:単位を選び直したら自動で変換する
いまは単位を変えても、「変換する」を押すまで結果欄は前のままです。ドロップダウンを選び直した時点で計算し直すようにしましょう。
期待結果:数値欄に 1 と入れて一度「変換する」を押す。そのあと単位を「ポンド (lb)」に変えるだけで、結果欄の見出しが「【1 ポンド (lb) の換算結果】」に変わる。いまはボタンを押すまで変わらない
合格条件
- 単位を選び直すたびに結果欄が計算し直される
- 「変換する」ボタンと Enter キーは今までどおり効く
- 起動した直後は結果欄が空のままで、警告のダイアログが出ない
ヒント①(どこを触るか): 触るのは1か所です。
_build_ui()でttk.OptionMenu(...)を作っている47〜48行のすぐ下に、1行足します。
ヒント②(使うもの):self.unit_varはtk.StringVarなので、trace_add("write", ...)で値が変わったときの処理を登録できます。呼ぶ相手は既にあるself.processです。
つまずきやすい点: 登録を46行(self.unit_varを作った直後)に置くと、次の行のttk.OptionMenu(...)が既定値「キログラム (kg)」を書き込みます。そのため起動した瞬間にprocess()が動き、入力欄が空のまま「数値を入力してください」の警告が出ます。もう1つの落とし穴はtrace_add("write", self.process)と括弧なしで渡すことです。tkinter が引数を3つ渡すためTypeError: App16.process() takes 1 positional argument but 4 were givenになります。lambda *a: self.process()の形で受け流してください。なお入力欄が空のまま単位を変えると、61行の判定に引っかかって同じ警告が出ます。 -
課題2:マイナスの重さを弾く
いまは -5 と入れても、そのまま計算して負の重さを並べてしまいます。0 未満はエラーにしましょう。
期待結果:数値欄に -5 と入れて「変換する」を押すと「0以上の数値を入力してください」のエラーが出て、結果欄は前のまま変わらない。0 は今までどおり変換できる
合格条件
- -5 でエラーが出て、結果欄が書き換わらない
- 0 は変換でき、結果欄に「【0 キログラム (kg) の換算結果】」が出る
- 空欄のときは今までどおり「数値を入力してください」の警告が出る
ヒント①(どこを触るか): 触るのは1か所です。
process()のexcept ValueError:のreturn(68行)の下、from_unit = self.unit_var.get()(70行)の手前に足します。
ヒント②(使うもの):messageboxは2行目のfrom tkinter import ttk, messageboxで読み込み済みです。67行のmessagebox.showerror("エラー", ...)がそのまま手本になります。
つまずきやすい点:if not value:と書くと 0 まで弾かれます。0.0は偽として扱われるためです。判定をvalue = float(text)(65行)より前に置くと、textは文字列のままなのでTypeError: '<' not supported between instances of 'str' and 'int'が出ます。 -
課題3:保存機能の追加
入力値や計算結果をファイルに保存する機能を追加しましょう。jsonやcsvモジュールを使います。
写経中に赤いエラー文が出たら、Pythonエラー一覧&解決法(英語メッセージ逆引き)で原因と直し方をすぐ確認できます。
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