ランダム献立提案
朝・昼・夜の献立をランダムに提案するアプリ。メニューリストをJSONで管理しカスタマイズ可能。
1. アプリ概要
朝・昼・夜の献立をランダムに提案するアプリ。メニューリストをJSONで管理しカスタマイズ可能。
このアプリはtoolsカテゴリの実践的なPythonアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ)、難易度は ★☆☆ です。
このアプリは「ツール」カテゴリです。日々の作業を自動化する実用ツールは Python が最も得意とする領域です。短いコードで実用性のある成果物が作れる点が魅力です。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。
動かしながら読むことが理解の最短経路です。まずはコードをコピーして実行し、想定どおりに動くことを確認したうえで解説と照らし合わせてください。
カスタマイズでは「機能追加」「UI 改善」「エラー耐性」の三方向で考えると視野が広がります。練習問題にもそれぞれの方向の具体例を用意しています。
2. 機能一覧
- ループで生成するボタン群(ボタンごとに対応する処理を接続)
- 「提案する」ボタン(
suggest())・「メニュー編集」ボタン(edit_menus())・「保存」ボタン(_save())・「読込」ボタン(import_json())・「閉じる」ボタンで操作 tk.Listboxによる一覧表示- JSON ファイルの保存(「保存」ボタン)・読み込み(「読込」ボタン)
filedialog.askopenfilename()によるファイル選択ダイアログmessagebox.showerror()・messagebox.showinfo()によるダイアログ通知- ウィンドウはタイトル「ランダム献立提案」・サイズ 620x520 で起動
3. 事前準備・環境
Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)
Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。
- Python 3.10 以上
- OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)
4. 完全なソースコード
右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。
import tkinter as tk
from tkinter import ttk, messagebox, filedialog
import random
import json
import os
class App072:
"""ランダム献立提案アプリ"""
DEFAULT_MENUS = {
"朝": ["トースト&コーヒー", "ご飯と味噌汁", "オムレツとサラダ", "シリアル", "おにぎり", "卵かけご飯", "サンドイッチ", "フルーツヨーグルト"],
"昼": ["ラーメン", "カレーライス", "パスタ", "うどん", "ハンバーガー", "牛丼", "親子丼", "サラダボウル", "お弁当", "焼きそば"],
"夜": ["焼き魚定食", "唐揚げ", "ステーキ", "鍋", "餃子と炒飯", "天ぷら", "ハンバーグ", "豚の生姜焼き", "刺身定食", "シチュー"],
}
SAVE_FILE = "meal_menus.json"
def __init__(self, root):
self.root = root
self.root.title("ランダム献立提案")
self.root.geometry("620x520")
self.root.minsize(620, 520)
self.root.configure(bg="#f8f9fc")
self.menus = {k: list(v) for k, v in self.DEFAULT_MENUS.items()}
self._load()
self._build_ui()
def _build_ui(self):
"""UIを構築する"""
title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
title_frame.pack(fill=tk.X)
tk.Label(
title_frame, text="ランダム献立提案",
font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
bg="#3776ab", fg="white"
).pack()
main_frame = tk.Frame(self.root, bg="#f8f9fc", padx=20, pady=20)
main_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
# 提案表示
prop_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="今日の献立", padding=14)
prop_frame.pack(fill=tk.X, pady=(0, 10))
self.labels = {}
for i, meal in enumerate(("朝", "昼", "夜")):
tk.Label(prop_frame, text=f"{meal}食:", font=("Noto Sans JP", 12, "bold"), bg="#f8f9fc").grid(row=i, column=0, sticky="w", pady=4)
lab = tk.Label(prop_frame, text="-", font=("Noto Sans JP", 12), bg="#f8f9fc", anchor="w")
lab.grid(row=i, column=1, sticky="w", padx=10)
self.labels[meal] = lab
btn_frame = tk.Frame(main_frame, bg="#f8f9fc")
btn_frame.pack(pady=4)
ttk.Button(btn_frame, text="提案する", command=self.suggest).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
ttk.Button(btn_frame, text="メニュー編集", command=self.edit_menus).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
ttk.Button(btn_frame, text="保存", command=self._save).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
ttk.Button(btn_frame, text="読込", command=self.import_json).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
# 一覧表示
list_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="現在のメニュー一覧", padding=8)
list_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
self.list_text = tk.Text(list_frame, font=("Noto Sans JP", 11), bg="white", state=tk.DISABLED)
self.list_text.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
self._refresh_list()
def suggest(self):
"""各食事をランダム提案"""
for meal, lab in self.labels.items():
choices = self.menus.get(meal) or ["(未登録)"]
lab.config(text=random.choice(choices))
def edit_menus(self):
"""編集ダイアログを開く"""
win = tk.Toplevel(self.root)
win.title("メニュー編集")
win.geometry("500x400")
nb = ttk.Notebook(win)
nb.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
listboxes = {}
for meal in ("朝", "昼", "夜"):
frame = tk.Frame(nb)
nb.add(frame, text=f"{meal}食")
lb = tk.Listbox(frame, font=("Noto Sans JP", 11))
lb.pack(fill=tk.BOTH, expand=True, padx=8, pady=8)
for m in self.menus[meal]:
lb.insert(tk.END, m)
entry = ttk.Entry(frame)
entry.pack(fill=tk.X, padx=8)
ctrl = tk.Frame(frame)
ctrl.pack(pady=6)
def make_add(meal_=meal, lb_=lb, entry_=entry):
def _add():
"""項目を追加"""
v = entry_.get().strip()
if not v:
return
self.menus[meal_].append(v)
lb_.insert(tk.END, v)
entry_.delete(0, tk.END)
return _add
def make_del(meal_=meal, lb_=lb):
def _del():
"""選択項目を削除"""
sel = lb_.curselection()
if not sel:
return
idx = sel[0]
del self.menus[meal_][idx]
lb_.delete(idx)
return _del
ttk.Button(ctrl, text="追加", command=make_add()).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
ttk.Button(ctrl, text="削除", command=make_del()).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
listboxes[meal] = lb
def on_close():
"""閉じるときに保存と再描画"""
self._save()
self._refresh_list()
win.destroy()
ttk.Button(win, text="閉じる", command=on_close).pack(pady=4)
win.protocol("WM_DELETE_WINDOW", on_close)
def _refresh_list(self):
"""一覧テキストを更新"""
self.list_text.config(state=tk.NORMAL)
self.list_text.delete("1.0", tk.END)
for meal, items in self.menus.items():
self.list_text.insert(tk.END, f"【{meal}食】 {', '.join(items)}\n")
self.list_text.config(state=tk.DISABLED)
def _load(self):
"""JSONメニュー読み込み"""
if os.path.exists(self.SAVE_FILE):
try:
with open(self.SAVE_FILE, "r", encoding="utf-8") as f:
data = json.load(f)
if isinstance(data, dict):
for k in ("朝", "昼", "夜"):
if k in data and isinstance(data[k], list):
self.menus[k] = data[k]
except Exception:
pass
def _save(self):
"""JSONメニュー書き出し"""
try:
with open(self.SAVE_FILE, "w", encoding="utf-8") as f:
json.dump(self.menus, f, ensure_ascii=False, indent=2)
except Exception as e:
messagebox.showerror("エラー", f"保存失敗: {e}")
def import_json(self):
"""ファイルからJSONを読み込む"""
path = filedialog.askopenfilename(filetypes=[("JSON", "*.json")])
if not path:
return
try:
with open(path, "r", encoding="utf-8") as f:
data = json.load(f)
for k in ("朝", "昼", "夜"):
if k in data:
self.menus[k] = data[k]
self._refresh_list()
messagebox.showinfo("完了", "メニューを読み込みました")
except Exception as e:
messagebox.showerror("エラー", f"読み込み失敗: {e}")
if __name__ == "__main__":
root = tk.Tk()
app = App072(root)
root.mainloop()
5. コード解説
ランダム献立提案アプリのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。
クラス設計とコンストラクタ
App072 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド8個・全175行)。__init__ ではタイトル「ランダム献立提案」とウィンドウサイズ 620x520 を設定します。そのあと _load() → _build_ui() の順に呼び出して初期状態を作ります。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
ウィジェット構成
画面は tk.Frame×3(ほかにループでも生成)・tk.Label(ループで生成)・ttk.LabelFrame×2・ttk.Button×5(ほかにループでも生成)・tk.Text・tk.Toplevel・ttk.Notebook・tk.Listbox(ループで生成)・ttk.Entry(ループで生成) で構成しています。見出し付きの枠(LabelFrame)は「今日の献立」「現在のメニュー一覧」のラベルでエリアを区切っています。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
イベント処理とボタンの接続
「提案する」ボタン(suggest())・「メニュー編集」ボタン(edit_menus())・「保存」ボタン(_save())・「読込」ボタン(import_json())・「閉じる」ボタンを command= で接続しています。ボタンはループ内で生成し、ペアで受け取った対応する処理をそのまま command= に渡しています。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
JSON への保存と読み込み
保存は「保存」ボタンから _save() が呼ばれ、json.dump() でファイルへ書き出します。起動時は json.load() で読み戻します。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
クラス定数によるデータ定義
クラスの先頭でデータを定数として定義しています:SAVE_FILE = 'meal_menus.json'。ロジックの中に直接書かず定数にまとめておくと、内容を変えたいときに1か所を書き換えるだけで済みます。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
例外処理
try-except で Exception を捕捉しています。あわせて messagebox.showerror()・messagebox.showinfo() のダイアログで、ユーザーへの通知・確認を行います。
※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。
6. ステップバイステップガイド
このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。
-
1ファイルを作成する
新しいファイルを作成して app072.py と保存します。使うのは
json・os・random・tkinterだけなので、追加インストールは不要です。 -
2クラスの骨格を作る
App072クラスを定義し、__init__と、末尾のroot = tk.Tk()~mainloop()の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。 -
3ウィンドウを設定する
title("ランダム献立提案")・geometry("620x520")・configure(bg="#f8f9fc")・minsize(620, 520)をコンストラクタで設定します。 -
4画面部品を並べる
_build_ui()の中で、tk.Frame×3(ほかにループでも生成)・tk.Label(ループで生成)・ttk.LabelFrame×2・ttk.Button×5(ほかにループでも生成)・tk.Text・tk.Toplevel・ttk.Notebook・tk.Listbox(ループで生成)・ttk.Entry(ループで生成) を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。 -
5イベントを接続する
「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを
command=で対応するメソッド(suggest()・edit_menus()・_save()・import_json()・on_close)につなぎます。ループ生成のボタンは、ペアで受け取った対応する処理をcommand=に渡して接続します。 -
6中心になるメソッドを実装する
アプリの本体である
edit_menus()(54行)・import_json()(15行)・_save()(7行)・suggest()(5行) を実装します。 -
7動作確認する
python app072.pyで起動し、各ボタンが反応することを確認します。
7. カスタマイズアイデア
基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。
💡 ダークモードを追加する
bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。
💡 クラス定数を書き換えて動きを変える
データはクラス定数(DEFAULT_MENUS・SAVE_FILE)にまとまっています。中身を書き換えて動きが変わることを確かめましょう。複数の定数が対応関係にある場合は、セットで整合させる必要がある点に注意してください。
💡 設定ダイアログ
フォントサイズや色などの設定をユーザーが変更できるオプションダイアログを追加しましょう。
8. よくある問題と解決法
❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う
原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。
解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。
❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない
原因:geometry("620x520") の固定サイズで起動するためです。
解決法:geometry() と minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(620, 520) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。
9. 練習問題
アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は定型の発展課題です)。メニューをランダムに1つ選んで表示するだけのアプリで、栄養バランスや健康について助言する機能はありません。起動時の候補は朝8件・昼10件・夜10件です(11〜15行)。「保存」を押したときとメニュー編集を閉じたときに、同じフォルダの meal_menus.json(16行)へ書き込まれます(119行・147〜153行)。
-
課題1:直前と同じ献立を続けて出さない
「提案する」は毎回すべての候補から選び直すので(65〜69行)、続けて押すと前と同じ献立が出ることがあります。少なくとも直前の1件は避けるようにしましょう。
期待結果:「提案する」を続けて押したとき、朝・昼・夜のどれも直前に表示していた献立にならない
合格条件
- 候補が2件以上ある食事では、続けて押しても直前と同じ献立にならない
- 候補が1件しかない食事では、その1件が今までどおり出る(動きが止まらない)
- 候補が空のときの「(未登録)」表示(68行)は今までどおり出る
ヒント①(どこを触るか): 触るのは1か所です。提案を作っている
suggest()の67〜69行です。
ヒント②(使うもの): いま表示している文字はlab.cget("text")で読めます。others = [c for c in choices if c != lab.cget("text")]を作り、othersが空でなければそちらから、空ならchoicesから選びます。
つまずきやすい点:whileで選び直す書き方にすると、メニュー編集で候補を1件だけにした食事で選び直しが終わらず、ウィンドウが固まります。直前の1件を除いたリストを作る形なら、候補が1件でも止まりません。なお起動直後の3つのラベルは「-」(47行)なので、1回目はどの候補も除かれません。 -
課題2:読み込んだJSONの形を確かめる
「読込」で選んだファイルの中身は、形を確かめずにそのまま入ります(163〜165行)。起動時に動く
_load()はisinstance(data[k], list)でリストかどうかを見ているのに(140〜143行)、こちらには同じ確認がありません。期待結果:
{"朝": "トースト"}のような形のJSONを読み込むと「メニューの形式が正しくありません」と出て、いまのメニュー一覧が変わらない合格条件
- リストでない値が入ったJSONを読んでも、一覧のメニューが書き換わらない
- 各食事がリストになっている正しいJSONは、今までどおり読み込める
- 形が違って読み込めなかったときは「メニューを読み込みました」(167行)が出ない
ヒント①(どこを触るか): 触るのは1か所です。読み込んだ値を代入している163〜165行です。
ヒント②(使うもの):_load()の142行と同じisinstance(data[k], list)を使います。1つでもリストでないものがあればmessagebox.showerror("エラー", "メニューの形式が正しくありません")を出してreturnし、すべてそろっているときだけ代入してください。
つまずきやすい点: 確認しないと例外にならないので、壊れたことに気づきにくいのが厄介です。{"朝": "トースト"}を読ませるとself.menus["朝"]が文字列になり、69行のrandom.choice("トースト")は文字列を1文字ずつのならびとして扱って「ト」だけを返します。131行の", ".join(items)も文字列に対して動くため、一覧には「ト, ー, ス, ト」と並びます。 -
課題3:キー操作に対応させる
ボタンから呼んでいる
suggest()を、キーボードのキーからも呼べるようにしてみましょう。tkinter では bind を使ってキーイベントとメソッドを結び付けられます。
写経中に赤いエラー文が出たら、Pythonエラー一覧&解決法(英語メッセージ逆引き)で原因と直し方をすぐ確認できます。
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