初心者向け No.31

フィボナッチ数列ビューアー

フィボナッチ数列をN項まで表示するアプリ。TextとScrollbarを組み合わせたスクロール表示の使い方を学びます。

🎯 難易度: ★☆☆ 📦 ライブラリ: tkinter(標準ライブラリ) ⏱️ 制作時間: 30〜90分

1. アプリ概要

フィボナッチ数列をN項まで表示するアプリ。TextとScrollbarを組み合わせたスクロール表示の使い方を学びます。

このアプリはツールカテゴリに分類される実践的なGUIアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ) で、難易度は ★☆☆ です。

このアプリは「ツール」カテゴリです。日々の作業を自動化する実用ツールは Python が最も得意とする領域です。短いコードで実用性のある成果物が作れる点が魅力です。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。

コピー&実行で動作確認 → コード解説で構造理解 → カスタマイズで応用、の 3 ステップで進めると、短時間で本質を押さえられます。

アプリを完成させた後は、自分の使い方に合わせて改造するのが学びを定着させる近道です。カスタマイズ章のアイデアを足がかりに、独自機能を一つ追加してみてください。

フィボナッチ数列ビューアー 実行画面(Windows)
実行画面(Windows)
フィボナッチ数列ビューアー 実行画面(Linux Mint)
実行画面(Linux Mint)

2. 機能一覧

  • 「生成する」ボタン(generate())で操作
  • messagebox.showwarning() によるダイアログ通知
  • ウィンドウはタイトル「フィボナッチ数列ビューアー」・サイズ 805x420 で起動

3. 事前準備・環境

ℹ️
動作確認環境

Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)

Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。

  • Python 3.10 以上
  • OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)

4. 完全なソースコード

💡
コードのコピー方法

右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。

追加インストール不要(標準ライブラリのみ使用)
app31.py
import tkinter as tk
from tkinter import ttk, messagebox


class App31:
    """フィボナッチ数列ビューアー"""

    def __init__(self, root):
        self.root = root
        self.root.title("フィボナッチ数列ビューアー")
        self.root.geometry("805x420")
        self.root.minsize(805, 420)
        self.root.configure(bg="#f8f9fc")
        self._build_ui()

    def _build_ui(self):
        title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
        title_frame.pack(fill=tk.X)
        tk.Label(title_frame, text="フィボナッチ数列ビューアー",
                 font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
                 bg="#3776ab", fg="white").pack()

        main_frame = tk.Frame(self.root, bg="#f8f9fc", padx=20, pady=16)
        main_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        input_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="設定", padding=10)
        input_frame.pack(fill=tk.X, pady=(0, 10))

        tk.Label(input_frame, text="何項まで表示:").grid(row=0, column=0, sticky="w")
        self.n_var = tk.IntVar(value=20)
        ttk.Spinbox(input_frame, from_=1, to=100, textvariable=self.n_var,
                    width=8, font=("Arial", 12)).grid(row=0, column=1, padx=8, sticky="w")

        ttk.Button(main_frame, text="生成する", command=self.generate).pack(pady=8)

        result_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="数列", padding=10)
        result_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        self.result_text = tk.Text(result_frame, font=("Courier New", 11),
                                   bg="white", relief=tk.FLAT, state=tk.DISABLED,
                                   wrap=tk.WORD)
        self.result_text.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.BOTH, expand=True)
        sb = ttk.Scrollbar(result_frame, command=self.result_text.yview)
        self.result_text.configure(yscrollcommand=sb.set)
        sb.pack(side=tk.RIGHT, fill=tk.Y)

    def generate(self):
        n = self.n_var.get()
        if n < 1:
            messagebox.showwarning("警告", "1以上の値を入力してください")
            return

        fibs = []
        a, b = 0, 1
        for _ in range(n):
            fibs.append(a)
            a, b = b, a + b

        lines = [f"フィボナッチ数列(第1〜第{n}項)\n"]
        lines.append("-" * 30)
        for i, f in enumerate(fibs, 1):
            lines.append(f"  第{i:3d}項: {f:,}")

        lines.append("")
        lines.append(f"最大値: {fibs[-1]:,}")
        if n >= 2:
            ratio = fibs[-1] / fibs[-2] if fibs[-2] != 0 else 0
            lines.append(f"黄金比に近似: {ratio:.6f}(黄金比 ≈ 1.618034)")

        self._show_result("\n".join(lines))

    def _show_result(self, text):
        self.result_text.config(state=tk.NORMAL)
        self.result_text.delete("1.0", tk.END)
        self.result_text.insert("1.0", text)
        self.result_text.config(state=tk.DISABLED)


if __name__ == "__main__":
    root = tk.Tk()
    app = App31(root)
    root.mainloop()

5. コード解説

フィボナッチ数列ビューアーのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。

クラス設計とコンストラクタ

App31 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド4個・全82行)。__init__ ではタイトル「フィボナッチ数列ビューアー」とウィンドウサイズ 805x420 を設定します。最後に _build_ui() で画面を組み立てます。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

ウィジェット構成

画面は tk.Frame×2・tk.Label×2・ttk.LabelFrame×2・ttk.Spinboxttk.Buttontk.Textttk.Scrollbar で構成しています。見出し付きの枠(LabelFrame)は「設定」「数列」のラベルでエリアを区切っています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

イベント処理とボタンの接続

「生成する」ボタン(generate())を command= で接続しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

6. ステップバイステップガイド

このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。

  1. 1
    ファイルを作成する

    新しいファイルを作成して app31.py と保存します。使うのは tkinter だけなので、追加インストールは不要です。

  2. 2
    クラスの骨格を作る

    App31 クラスを定義し、__init__ と、末尾の root = tk.Tk()mainloop() の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。

  3. 3
    ウィンドウを設定する

    title("フィボナッチ数列ビューアー")geometry("805x420")configure(bg="#f8f9fc")minsize(805, 420) をコンストラクタで設定します。

  4. 4
    画面部品を並べる

    _build_ui() の中で、tk.Frame×2・tk.Label×2・ttk.LabelFrame×2・ttk.Spinboxttk.Buttontk.Textttk.Scrollbar を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。

  5. 5
    イベントを接続する

    「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを command= で対応するメソッド(generate())につなぎます。

  6. 6
    中心になるメソッドを実装する

    アプリの本体である generate()(24行)・_show_result()(5行) を実装します。

  7. 7
    動作確認する

    python app31.py で起動し、各ボタンが反応することを確認します。

7. カスタマイズアイデア

基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。少しずつ機能を追加することで、Pythonのスキルが飛躍的に向上します。

💡 ダークモードを追加する

bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。

💡 結果をファイルに保存する

このコードに保存処理はないため、表示中の数値や結果はアプリを閉じると消えます。テキストファイルへ書き出して、次回起動時に読み込む機能を追加してみましょう。

💡 入力履歴機能

以前の入力値を覚えておいてComboboxのドロップダウンで再選択できる履歴機能を追加しましょう。

8. よくある問題と解決法

❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う

原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。

解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。

❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない

原因:geometry("805x420") の固定サイズで起動するためです。

解決法:geometry()minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(805, 420) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。

9. 練習問題

アプリの理解を深めるための練習問題です。難易度順に挑戦してみてください。

  1. 課題1:機能拡張

    フィボナッチ数列ビューアーに新しい機能を1つ追加してみましょう。どんな機能があると便利か考えてから実装してください。

  2. 課題2:UIの改善

    色・フォント・レイアウトを変更して、より使いやすいUIにカスタマイズしてみましょう。

  3. 課題3:保存機能の追加

    入力値や計算結果をファイルに保存する機能を追加しましょう。jsonやcsvモジュールを使います。

🚀
次に挑戦するアプリ

このアプリをマスターしたら、次のアプリにも挑戦してみましょう。

🐛
エラーが出て動かないときは

写経中に赤いエラー文が出たら、Pythonエラー一覧&解決法(英語メッセージ逆引き)で原因と直し方をすぐ確認できます。

📖
独学を1冊で体系化するなら

写経しながら「なぜこう書くのか」が気になり始めたら、入門書を1冊通して読むと断片的な知識がつながります。Python入門書のおすすめ2冊(当サイトの参考書ランキング総合1〜2位)で、独学者向けの最初の1冊を比較しています。