初心者向け No.35

日々のプランナー

その日のやること・スケジュールを管理するデイリープランナー。Notebookウィジェットを学びます。

🎯 難易度: ★★☆ 📦 ライブラリ: tkinter(標準ライブラリ) ⏱️ 制作時間: 30〜90分

1. アプリ概要

その日のやること・スケジュールを管理するデイリープランナー。Notebookウィジェットを学びます。

このアプリは管理カテゴリに分類される実践的なGUIアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ) で、難易度は ★★☆ です。

このアプリは「整理ツール」カテゴリです。整理・分類系のツールはデータ構造とユーザー操作を結びつける書き方を学ぶ好機です。設計次第で書きやすさが大きく変わります。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。

コピー&実行で動作確認 → コード解説で構造理解 → カスタマイズで応用、の 3 ステップで進めると、短時間で本質を押さえられます。

アプリを完成させた後は、自分の使い方に合わせて改造するのが学びを定着させる近道です。カスタマイズ章のアイデアを足がかりに、独自機能を一つ追加してみてください。

日々のプランナー 実行画面(Windows)
実行画面(Windows)
日々のプランナー 実行画面(Linux Mint)
実行画面(Linux Mint)

2. 機能一覧

  • 「追加」ボタン(add_schedule())・「選択削除」ボタン(delete_schedule())・「追加」ボタン(add_todo())・「完了/未完了」ボタン(toggle_todo())・「削除」ボタン(delete_todo())で操作
  • キー <Return> から add_schedule() を実行
  • キー <Return> から add_todo() を実行
  • tk.Listbox による一覧表示(スクロールバー付き)
  • ウィンドウはタイトル「デイリープランナー」・サイズ 540x520 で起動

3. 事前準備・環境

ℹ️
動作確認環境

Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)

Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。

  • Python 3.10 以上
  • OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)

4. 完全なソースコード

💡
コードのコピー方法

右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。

追加インストール不要(標準ライブラリのみ使用)
app35.py
import tkinter as tk
from tkinter import ttk, messagebox
from datetime import date


class App35:
    """日々のプランナー"""

    def __init__(self, root):
        self.root = root
        self.root.title("デイリープランナー")
        self.root.geometry("540x520")
        self.root.minsize(540, 520)
        self.root.configure(bg="#f8f9fc")
        self._build_ui()

    def _build_ui(self):
        title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=10)
        title_frame.pack(fill=tk.X)
        today = date.today()
        weekdays = ["月","火","水","木","金","土","日"]
        tk.Label(title_frame,
                 text=f"デイリープランナー  {today.strftime('%Y年%m月%d日')}({weekdays[today.weekday()]})",
                 font=("Noto Sans JP", 14, "bold"),
                 bg="#3776ab", fg="white").pack()

        notebook = ttk.Notebook(self.root)
        notebook.pack(fill=tk.BOTH, expand=True, padx=8, pady=8)

        # タブ: スケジュール
        sched_tab = tk.Frame(notebook, bg="#f8f9fc")
        notebook.add(sched_tab, text="⏰ スケジュール")
        self._build_schedule_tab(sched_tab)

        # タブ: やること
        todo_tab = tk.Frame(notebook, bg="#f8f9fc")
        notebook.add(todo_tab, text="✅ やること")
        self._build_todo_tab(todo_tab)

        # タブ: メモ
        memo_tab = tk.Frame(notebook, bg="#f8f9fc")
        notebook.add(memo_tab, text="📝 メモ")
        self._build_memo_tab(memo_tab)

    def _build_schedule_tab(self, parent):
        f = tk.Frame(parent, bg="#f8f9fc", padx=14, pady=10)
        f.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        # 追加フォーム
        add_f = tk.Frame(f, bg="#f8f9fc")
        add_f.pack(fill=tk.X, pady=(0, 8))
        tk.Label(add_f, text="時刻:", bg="#f8f9fc").pack(side=tk.LEFT)
        self.time_entry = ttk.Entry(add_f, width=7, font=("Arial", 12))
        self.time_entry.insert(0, "09:00")
        self.time_entry.pack(side=tk.LEFT, padx=4)
        tk.Label(add_f, text="予定:", bg="#f8f9fc").pack(side=tk.LEFT)
        self.sched_entry = ttk.Entry(add_f, font=("Noto Sans JP", 11))
        self.sched_entry.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.X, expand=True, padx=4)
        self.sched_entry.bind("<Return>", lambda e: self.add_schedule())
        ttk.Button(add_f, text="追加", command=self.add_schedule).pack(side=tk.LEFT)

        # リスト
        list_f = tk.Frame(f, bg="#f8f9fc")
        list_f.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
        self.sched_listbox = tk.Listbox(list_f, font=("Noto Sans JP", 11),
                                        bg="white", relief=tk.FLAT, height=10)
        self.sched_listbox.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.BOTH, expand=True)
        sb = ttk.Scrollbar(list_f, command=self.sched_listbox.yview)
        self.sched_listbox.configure(yscrollcommand=sb.set)
        sb.pack(side=tk.RIGHT, fill=tk.Y)

        ttk.Button(f, text="選択削除", command=self.delete_schedule).pack(anchor="e", pady=(4, 0))

    def add_schedule(self):
        t = self.time_entry.get().strip()
        s = self.sched_entry.get().strip()
        if not s:
            return
        self.sched_listbox.insert(tk.END, f"{t}  {s}")
        self.sched_entry.delete(0, tk.END)

    def delete_schedule(self):
        sel = self.sched_listbox.curselection()
        if sel:
            self.sched_listbox.delete(sel[0])

    def _build_todo_tab(self, parent):
        f = tk.Frame(parent, bg="#f8f9fc", padx=14, pady=10)
        f.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
        self.todo_tasks = []

        add_f = tk.Frame(f, bg="#f8f9fc")
        add_f.pack(fill=tk.X, pady=(0, 8))
        self.todo_entry = ttk.Entry(add_f, font=("Noto Sans JP", 12))
        self.todo_entry.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.X, expand=True, padx=(0, 6))
        self.todo_entry.bind("<Return>", lambda e: self.add_todo())
        ttk.Button(add_f, text="追加", command=self.add_todo).pack(side=tk.LEFT)

        self.todo_listbox = tk.Listbox(f, font=("Noto Sans JP", 11),
                                       bg="white", relief=tk.FLAT, height=10,
                                       selectmode=tk.SINGLE)
        self.todo_listbox.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        btn_f = tk.Frame(f, bg="#f8f9fc")
        btn_f.pack(fill=tk.X, pady=(4, 0))
        ttk.Button(btn_f, text="完了/未完了", command=self.toggle_todo).pack(side=tk.LEFT, padx=(0, 6))
        ttk.Button(btn_f, text="削除", command=self.delete_todo).pack(side=tk.LEFT)

    def add_todo(self):
        text = self.todo_entry.get().strip()
        if not text:
            return
        self.todo_tasks.append({"text": text, "done": False})
        self.todo_entry.delete(0, tk.END)
        self._refresh_todo()

    def toggle_todo(self):
        sel = self.todo_listbox.curselection()
        if sel:
            idx = sel[0]
            self.todo_tasks[idx]["done"] = not self.todo_tasks[idx]["done"]
            self._refresh_todo()

    def delete_todo(self):
        sel = self.todo_listbox.curselection()
        if sel:
            self.todo_tasks.pop(sel[0])
            self._refresh_todo()

    def _refresh_todo(self):
        self.todo_listbox.delete(0, tk.END)
        for t in self.todo_tasks:
            prefix = "✅ " if t["done"] else "⬜ "
            self.todo_listbox.insert(tk.END, prefix + t["text"])
            if t["done"]:
                self.todo_listbox.itemconfig(tk.END, fg="#aaa")

    def _build_memo_tab(self, parent):
        f = tk.Frame(parent, bg="#f8f9fc", padx=14, pady=10)
        f.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)
        tk.Label(f, text="今日のメモ・振り返り:", bg="#f8f9fc",
                 font=("Noto Sans JP", 11)).pack(anchor="w")
        self.memo_text = tk.Text(f, font=("Noto Sans JP", 12), wrap=tk.WORD,
                                 bg="white", padx=8, pady=8, height=14)
        self.memo_text.pack(fill=tk.BOTH, expand=True, pady=(6, 0))


if __name__ == "__main__":
    root = tk.Tk()
    app = App35(root)
    root.mainloop()

5. コード解説

日々のプランナーのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。

クラス設計とコンストラクタ

App35 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド11個・全151行)。__init__ ではタイトル「デイリープランナー」とウィンドウサイズ 540x520 を設定します。最後に _build_ui() で画面を組み立てます。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

ウィジェット構成

画面は tk.Frame×11・tk.Label×4・ttk.Notebookttk.Entry×3・ttk.Button×5・tk.Listbox×2・ttk.Scrollbartk.Text で構成しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

イベント処理とボタンの接続

「追加」ボタン(add_schedule())・「選択削除」ボタン(delete_schedule())・「追加」ボタン(add_todo())・「完了/未完了」ボタン(toggle_todo())・「削除」ボタン(delete_todo())を command= で接続しています。また bind("<Return>", ...) から add_schedule()bind("<Return>", ...) から add_todo() を呼べるようにイベントも登録しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

6. ステップバイステップガイド

このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。

  1. 1
    ファイルを作成する

    新しいファイルを作成して app35.py と保存します。使うのは datetimetkinter だけなので、追加インストールは不要です。

  2. 2
    クラスの骨格を作る

    App35 クラスを定義し、__init__ と、末尾の root = tk.Tk()mainloop() の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。

  3. 3
    ウィンドウを設定する

    title("デイリープランナー")geometry("540x520")configure(bg="#f8f9fc")minsize(540, 520) をコンストラクタで設定します。

  4. 4
    画面部品を並べる

    _build_ui() の中で、tk.Frame×11・tk.Label×4・ttk.Notebookttk.Entry×3・ttk.Button×5・tk.Listbox×2・ttk.Scrollbartk.Text を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。

  5. 5
    イベントを接続する

    「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを command= で対応するメソッド(add_schedule()delete_schedule()add_todo()toggle_todo()delete_todo())につなぎます。bind("<Return>", ...)bind("<Return>", ...) の登録も忘れずに。

  6. 6
    中心になるメソッドを実装する

    アプリの本体である add_schedule()(7行)・add_todo()(7行)・toggle_todo()(6行)など を実装します。

  7. 7
    動作確認する

    python app35.py で起動し、各ボタンが反応すること・キー操作(<Return><Return>)が効くことを確認します。

7. カスタマイズアイデア

基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。少しずつ機能を追加することで、Pythonのスキルが飛躍的に向上します。

💡 ダークモードを追加する

bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。

💡 一覧の内容をファイルに書き出す

tk.Listbox に溜めた内容は、アプリを閉じると消えます(このコードに保存処理はありません)。一覧を1行ずつテキストファイルへ書き出す保存ボタンを追加しましょう。保存先の選択には tkinter の filedialog モジュールが使えます(このコードでは未使用なので from tkinter import filedialog の追記が必要です)。

💡 入力履歴機能

以前の入力値を覚えておいてComboboxのドロップダウンで再選択できる履歴機能を追加しましょう。

8. よくある問題と解決法

❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う

原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。

解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。

<Return> キーを押しても反応しない

原因:bind("<Return>", ...) はウィジェット単位で登録されるため、ウィンドウ(またはバインド先)にキーボードフォーカスが無いとイベントが届きません。

解決法:一度ウィンドウ内をクリックしてフォーカスを与えてから、キーを押してください。

❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない

原因:geometry("540x520") の固定サイズで起動するためです。

解決法:geometry()minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(540, 520) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。

9. 練習問題

アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は定型の発展課題です)。

  1. 課題1:時刻の書式を確かめてから追加する

    時刻欄は自由入力なので、「25:00」や「9時」でもそのまま登録できてしまいます。おかしい書式のときは警告を出して、登録を止めましょう。

    期待結果:時刻欄を 25:00 にして「追加」を押すと、警告ダイアログ「時刻は 00:00〜23:59 で入力してください」が出て、一覧には増えない。

    合格条件

    • 25:009時 では追加されず警告が出る
    • 09:0023:59 はこれまでどおり追加できる
    • 予定名が空のときは、これまでどおり警告なしで何も起きない

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは add_schedule() の1か所です。if not s:return の下に、時刻を確かめる数行を足します。messagebox は2行目の from tkinter import ttk, messagebox で読み込み済みです。
    ヒント②(使うもの): まず parts = t.split(":") が2つに分かれるかを見て、次に parts[0].isdigit()parts[1].isdigit() を確かめます。そのうえで 0 <= int(parts[0]) <= 230 <= int(parts[1]) <= 59 を見て、外れていたら messagebox.showwarning("入力エラー", "時刻は 00:00〜23:59 で入力してください") を出して return します。
    つまずきやすい点: 確かめる前に int(t.split(":")[0]) と書くと、9時 の入力で ValueError: invalid literal for int() with base 10: '9時' になります。tkinter はボタンの処理で起きた例外を画面に出さないため、警告ダイアログどころか見た目は何も変わらず、コンソールにだけ赤い文字が流れます。isdigit() で確かめてから int() に渡してください。

  2. 課題2:終わったタスクを一覧の下へまとめる

    「やること」タブは完了しても灰色になるだけで、その場に残ります。完了した行を下へ集めて、残りの作業が上に並ぶようにしましょう。

    期待結果:「牛乳を買う」「掃除」「メール返信」の順に足し、真ん中の「掃除」を選んで「完了/未完了」を押すと、掃除の行が一番下へ移動する。

    合格条件

    • 完了にした行が灰色になり、一番下へ移動する
    • 未完了に戻すと灰色が消え、未完了のグループの末尾へ上がる
    • 「削除」で消えるのは選んだ行だけで、別の行は消えない

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは _refresh_todo() の1か所です。self.todo_listbox.delete(0, tk.END) の直後に並べ替えを1行入れます。toggle_todo()delete_todo() は触りません。
    ヒント②(使うもの): self.todo_tasks.sort(key=lambda t: t["done"]) と書くと、未完了(False)が先・完了(True)が後ろになります。sort() は同じ値どうしの順番を保つので、未完了の並びは崩れません。
    つまずきやすい点: 表示だけを並べ替えて self.todo_tasks の順番を元のままにすると、別のタスクが消えたり切り替わったりします。toggle_todo()delete_todo()curselection() の番号をそのまま self.todo_tasks の添字として使っているためです。リスト本体を並べ替えれば、画面の行と添字がずれません。

  3. 課題3:保存機能の追加

    入力値や計算結果をファイルに保存する機能を追加しましょう。jsonやcsvモジュールを使います。

🚀
次に挑戦するアプリ

このアプリをマスターしたら、次のアプリにも挑戦してみましょう。

🐛
エラーが出て動かないときは

写経中に赤いエラー文が出たら、Pythonエラー一覧&解決法(英語メッセージ逆引き)で原因と直し方をすぐ確認できます。

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