初心者向け No.39

Webブックマーカー

URLを保存してブラウザで開くブックマーク管理アプリ。webbrowserモジュールの使い方を学びます。

🎯 難易度: ★☆☆ 📦 ライブラリ: tkinter(標準ライブラリ) ⏱️ 制作時間: 30〜90分

1. アプリ概要

URLを保存してブラウザで開くブックマーク管理アプリ。webbrowserモジュールの使い方を学びます。

このアプリはツールカテゴリに分類される実践的なGUIアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ) で、難易度は ★☆☆ です。

このアプリは「ツール」カテゴリです。日々の作業を自動化する実用ツールは Python が最も得意とする領域です。短いコードで実用性のある成果物が作れる点が魅力です。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。

コピー&実行で動作確認 → コード解説で構造理解 → カスタマイズで応用、の 3 ステップで進めると、短時間で本質を押さえられます。

アプリを完成させた後は、自分の使い方に合わせて改造するのが学びを定着させる近道です。カスタマイズ章のアイデアを足がかりに、独自機能を一つ追加してみてください。

Webブックマーカー 実行画面(Windows)
実行画面(Windows)
Webブックマーカー 実行画面(Linux Mint)
実行画面(Linux Mint)

2. 機能一覧

  • 「追加」ボタン(add_bookmark())・「🌐 開く」ボタン(open_selected())・「削除」ボタン(delete_selected())で操作
  • マウス操作 <Double-1> から open_selected() を実行
  • ttk.Treeview による表形式の一覧表示
  • JSON ファイルの保存・読み込み(起動時に自動実行)
  • messagebox.showinfo()messagebox.showwarning() によるダイアログ通知
  • ウィンドウはタイトル「Webブックマーカー」・サイズ 531x478 で起動

3. 事前準備・環境

ℹ️
動作確認環境

Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)

Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。

  • Python 3.10 以上
  • OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)

4. 完全なソースコード

💡
コードのコピー方法

右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。

追加インストール不要(標準ライブラリのみ使用)
app39.py
import tkinter as tk
from tkinter import ttk, messagebox
import webbrowser
import json
import os


class App39:
    """Webブックマーカー"""

    SAVE_FILE = "bookmarks.json"

    def __init__(self, root):
        self.root = root
        self.root.title("Webブックマーカー")
        self.root.geometry("531x478")
        self.root.minsize(531, 478)
        self.root.configure(bg="#f8f9fc")
        self.bookmarks = self._load()
        self._build_ui()
        self._refresh()

    def _load(self):
        if os.path.exists(self.SAVE_FILE):
            with open(self.SAVE_FILE, encoding="utf-8") as f:
                return json.load(f)
        return [
            {"title": "Python公式", "url": "https://www.python.org/", "category": "開発"},
            {"title": "Python docs", "url": "https://docs.python.org/ja/3/", "category": "開発"},
            {"title": "GitHub", "url": "https://github.com/", "category": "開発"},
        ]

    def _save(self):
        with open(self.SAVE_FILE, "w", encoding="utf-8") as f:
            json.dump(self.bookmarks, f, ensure_ascii=False, indent=2)

    def _build_ui(self):
        title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
        title_frame.pack(fill=tk.X)
        tk.Label(title_frame, text="Webブックマーカー",
                 font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
                 bg="#3776ab", fg="white").pack()

        main_frame = tk.Frame(self.root, bg="#f8f9fc", padx=16, pady=12)
        main_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        # 追加フォーム
        add_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="ブックマークを追加", padding=8)
        add_frame.pack(fill=tk.X, pady=(0, 10))

        tk.Label(add_frame, text="タイトル:").grid(row=0, column=0, sticky="w", pady=2)
        self.title_entry = ttk.Entry(add_frame, font=("Noto Sans JP", 11), width=22)
        self.title_entry.grid(row=0, column=1, padx=6, sticky="ew")

        tk.Label(add_frame, text="URL:").grid(row=1, column=0, sticky="w", pady=2)
        self.url_entry = ttk.Entry(add_frame, font=("Arial", 11), width=22)
        self.url_entry.insert(0, "https://")
        self.url_entry.grid(row=1, column=1, padx=6, sticky="ew")

        tk.Label(add_frame, text="カテゴリ:").grid(row=2, column=0, sticky="w", pady=2)
        self.cat_entry = ttk.Entry(add_frame, font=("Noto Sans JP", 11), width=14)
        self.cat_entry.insert(0, "その他")
        self.cat_entry.grid(row=2, column=1, padx=6, sticky="w")

        ttk.Button(add_frame, text="追加", command=self.add_bookmark).grid(
            row=0, column=2, rowspan=3, padx=8)
        add_frame.columnconfigure(1, weight=1)

        # リスト
        list_frame = ttk.LabelFrame(main_frame, text="ブックマーク一覧", padding=8)
        list_frame.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        cols = ("タイトル", "URL", "カテゴリ")
        self.tree = ttk.Treeview(list_frame, columns=cols, show="headings", height=8)
        for col, w in zip(cols, [160, 220, 80]):
            self.tree.heading(col, text=col)
            self.tree.column(col, width=w, minwidth=60)
        self.tree.pack(side=tk.LEFT, fill=tk.BOTH, expand=True)
        sb = ttk.Scrollbar(list_frame, command=self.tree.yview)
        self.tree.configure(yscrollcommand=sb.set)
        sb.pack(side=tk.RIGHT, fill=tk.Y)
        self.tree.bind("<Double-1>", lambda e: self.open_selected())

        btn_frame = tk.Frame(main_frame, bg="#f8f9fc")
        btn_frame.pack(fill=tk.X, pady=(6, 0))
        tk.Button(btn_frame, text="🌐 開く", font=("Noto Sans JP", 11),
                  bg="#3776ab", fg="white", relief=tk.FLAT, padx=8, pady=4,
                  command=self.open_selected).pack(side=tk.LEFT, padx=(0, 6))
        ttk.Button(btn_frame, text="削除", command=self.delete_selected).pack(side=tk.LEFT)

    def _refresh(self):
        for item in self.tree.get_children():
            self.tree.delete(item)
        for bm in self.bookmarks:
            self.tree.insert("", tk.END, values=(bm["title"], bm["url"], bm.get("category", "")))

    def add_bookmark(self):
        title = self.title_entry.get().strip()
        url = self.url_entry.get().strip()
        cat = self.cat_entry.get().strip()
        if not title or not url:
            messagebox.showwarning("警告", "タイトルとURLを入力してください")
            return
        self.bookmarks.append({"title": title, "url": url, "category": cat})
        self._save()
        self.title_entry.delete(0, tk.END)
        self.url_entry.delete(0, tk.END)
        self.url_entry.insert(0, "https://")
        self._refresh()

    def open_selected(self):
        sel = self.tree.selection()
        if not sel:
            messagebox.showinfo("情報", "ブックマークを選択してください")
            return
        url = self.tree.item(sel[0])["values"][1]
        webbrowser.open(url)

    def delete_selected(self):
        sel = self.tree.selection()
        if not sel:
            return
        idx = self.tree.index(sel[0])
        self.bookmarks.pop(idx)
        self._save()
        self._refresh()


if __name__ == "__main__":
    root = tk.Tk()
    app = App39(root)
    root.mainloop()

5. コード解説

Webブックマーカーのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。

クラス設計とコンストラクタ

App39 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド8個・全132行)。__init__ ではタイトル「Webブックマーカー」とウィンドウサイズ 531x478 を設定します。そのあと _build_ui()_refresh() の順に呼び出して初期状態を作ります。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

ウィジェット構成

画面は tk.Frame×3・tk.Label×4・ttk.LabelFrame×2・ttk.Entry×3・ttk.Button×2・ttk.Treeviewttk.Scrollbartk.Button で構成しています。見出し付きの枠(LabelFrame)は「ブックマークを追加」「ブックマーク一覧」のラベルでエリアを区切っています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

イベント処理とボタンの接続

「追加」ボタン(add_bookmark())・「🌐 開く」ボタン(open_selected())・「削除」ボタン(delete_selected())を command= で接続しています。また bind("<Double-1>", ...) から open_selected() を呼べるようにイベントも登録しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

JSON への保存と読み込み

データは json.dump() でファイルへ保存します。起動時は json.load() で読み戻します。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

クラス定数によるデータ定義

クラスの先頭でデータを定数として定義しています:SAVE_FILE = 'bookmarks.json'。ロジックの中に直接書かず定数にまとめておくと、内容を変えたいときに1か所を書き換えるだけで済みます。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

6. ステップバイステップガイド

このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。

  1. 1
    ファイルを作成する

    新しいファイルを作成して app39.py と保存します。使うのは jsonostkinterwebbrowser だけなので、追加インストールは不要です。

  2. 2
    クラスの骨格を作る

    App39 クラスを定義し、__init__ と、末尾の root = tk.Tk()mainloop() の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。

  3. 3
    ウィンドウを設定する

    title("Webブックマーカー")geometry("531x478")configure(bg="#f8f9fc")minsize(531, 478) をコンストラクタで設定します。

  4. 4
    画面部品を並べる

    _build_ui() の中で、tk.Frame×3・tk.Label×4・ttk.LabelFrame×2・ttk.Entry×3・ttk.Button×2・ttk.Treeviewttk.Scrollbartk.Button を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。

  5. 5
    イベントを接続する

    「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを command= で対応するメソッド(add_bookmark()open_selected()delete_selected())につなぎます。bind("<Double-1>", ...) の登録も忘れずに。

  6. 6
    中心になるメソッドを実装する

    アプリの本体である add_bookmark()(13行)・delete_selected()(8行)・open_selected()(7行) を実装します。

  7. 7
    動作確認する

    python app39.py で起動し、各ボタンが反応すること・マウス操作(クリック・ホイールなど)が効くことを確認します。

7. カスタマイズアイデア

基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。少しずつ機能を追加することで、Pythonのスキルが飛躍的に向上します。

💡 ダークモードを追加する

bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。

💡 クラス定数を書き換えて動きを変える

データはクラス定数(SAVE_FILE)にまとまっています。中身を書き換えて動きが変わることを確かめましょう。複数の定数が対応関係にある場合は、セットで整合させる必要がある点に注意してください。

💡 入力履歴機能

以前の入力値を覚えておいてComboboxのドロップダウンで再選択できる履歴機能を追加しましょう。

8. よくある問題と解決法

❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う

原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。

解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。

❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない

原因:geometry("531x478") の固定サイズで起動するためです。

解決法:geometry()minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(531, 478) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。

9. 練習問題

アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は定型の発展課題です)。

  1. 課題1:URL の形式を確かめてから追加する

    「追加」を押したとき、URL が http://https:// で始まらなければ警告を出して登録を中止します。

    期待結果:URL 欄に「example.com」と入れて「追加」を押すと「URLは http:// か https:// で始めてください」の警告が出て、一覧の件数は増えない(bookmarks.json も書き換わらない)。

    合格条件

    • 警告のあともタイトル・URL の入力内容が消えない
    • https://example.com なら従来どおり追加され、一覧が1行増える
    • 不正な URL だけを試している間は bookmarks.json が作られない(既にある場合は件数が増えない)

    ヒント①(どこを触るか): add_bookmark()if not title or not url: の直後に検証を1つ足します。
    ヒント②(使うもの): 先頭の一致は str.startswith(("http://", "https://"))(タプルを渡すとどちらかに一致すれば True)。警告表示はすでに使っている messagebox.showwarning です。
    つまずきやすい点: 検証を self.bookmarks.append(...)self._save() より後ろに書くと、不正な URL が bookmarks.json に残ります。追加処理の前に return してください。

  2. 課題2:見出しのクリックで並び替える

    一覧の「タイトル」「カテゴリ」の見出しをクリックすると、その列で並び替わるようにします。同じ見出しをもう一度押したら逆順にしてください。

    期待結果:「タイトル」を押すとタイトルの昇順に並び替わり、もう一度押すと降順になる。並び替えた状態で行を選んで「削除」を押すと、画面で選んだブックマークが消える。

    合格条件

    • 並び替えたあとの「削除」で、選んだ行と別のブックマークが消えない
    • 削除すると bookmarks.json の件数も1つ減る(表示と保存が食い違わない)
    • 並び替えたあとに「追加」しても一覧の表示が崩れない

    ヒント①(どこを触るか): 見出しは _build_ui()self.tree.heading(col, text=col) で作っています。ここに command= を足すとクリックできるようになります。
    ヒント②(使うもの): 表示(Treeview)だけを並べ替えると、delete_selected()self.tree.index(sel[0]) が指す番号と self.bookmarks の並びがずれます。self.bookmarks.sort(key=lambda b: b["title"]) のように元のリストを並べ替えてから self._refresh() を呼ぶ方が安全です(逆順は reverse=True)。
    つまずきやすい点: command= に渡すのは「呼び出した結果」ではなく「関数そのもの」です。command=self.sort_by("title") と書くと起動時に1回動くだけで、クリックしても反応しません(lambda c="title": self.sort_by(c) の形にします)。

  3. 課題3:新しいボタンを追加する

    既存のボタンと同じ書き方で新しいボタンを1つ足し、押されたときに動くメソッドを自作してみましょう。ボタンの作成と command= の接続がセットで身に付きます。

🚀
次に挑戦するアプリ

このアプリをマスターしたら、次のアプリにも挑戦してみましょう。

🐛
エラーが出て動かないときは

写経中に赤いエラー文が出たら、Pythonエラー一覧&解決法(英語メッセージ逆引き)で原因と直し方をすぐ確認できます。

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独学を1冊で体系化するなら

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