初心者向け No.074

画像スライドショー

フォルダを選択して画像を自動スライドショー表示するアプリ。表示間隔調整とキーナビゲーション付き。

🎯 難易度: ★★☆ 📦 ライブラリ: tkinter(標準ライブラリ), Pillow ⏱️ 制作時間: 30〜90分

1. アプリ概要

フォルダを選択して画像を自動スライドショー表示するアプリ。表示間隔調整とキーナビゲーション付き。

このアプリはbasicsカテゴリの実践的なPythonアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ)・Pillow、難易度は ★★☆ です。

このアプリは「入門」カテゴリです。ウィンドウ・ウィジェット・イベントの基本構造を反復することで、後から複雑なアプリを作るときの骨格が身につきます。tkinter(標準ライブラリ)・Pillow を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。

完成形を見てから細部の解説に進む流れが効果的です。実行→気になる箇所を解説で確認→自分の手で改造、というサイクルで定着が早まります。

カスタマイズ章では具体的な拡張アイデアを示しています。一つ実装するごとに動作確認することで、変更が予期せぬ副作用を起こさないかも体感できます。

画像スライドショー 実行画面(Windows)
実行画面(Windows)
画像スライドショー 実行画面(Linux Mint)
実行画面(Linux Mint)

2. 機能一覧

  • 「フォルダ選択」ボタン(choose_folder())・「◀ 前へ」ボタン(prev_img())・「▶ 再生」ボタン(play())・「■ 停止」ボタン(stop())・「次へ ▶」ボタン(next_img())で操作
  • キー <Left> から prev_img() を実行
  • キー <Right> から next_img() を実行
  • キー <space> から toggle() を実行
  • filedialog.askdirectory() によるファイル選択ダイアログ
  • messagebox.showerror()messagebox.showinfo() によるダイアログ通知
  • ウィンドウはタイトル「画像スライドショー」・サイズ 760x601 で起動

3. 事前準備・環境

ℹ️
動作確認環境

Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)

Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は必要なライブラリ(pip install)を入れれば動作する想定ですが、未検証です。

  • Python 3.10 以上
  • OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)

インストールが必要なライブラリ

pip install pillow

4. 完全なソースコード

💡
コードのコピー方法

右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。

追加インストール不要(標準ライブラリのみ使用)
app074.py
import os
import tkinter as tk
from tkinter import filedialog, messagebox, ttk

# Pillow が無い場合は GIF/PGM/PPM のみ対応 (tkinter 標準)
try:
    from PIL import Image, ImageTk  # type: ignore
    PIL_AVAILABLE = True
except ImportError:
    PIL_AVAILABLE = False


SUPPORTED_EXTS = (".png", ".jpg", ".jpeg", ".gif", ".bmp", ".ppm", ".pgm")


class App074:
    """画像スライドショー"""

    def __init__(self, root):
        self.root = root
        self.root.title("画像スライドショー")
        self.root.geometry("760x601")
        self.root.minsize(760, 601)
        self.root.configure(bg="#f8f9fc")
        self.images = []  # ファイルパス一覧
        self.idx = 0
        self.interval_ms = 3000
        self.playing = False
        self._after_id = None
        self._tk_img = None
        self._build_ui()

    def _build_ui(self):
        """UI を構築する"""
        title = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
        title.pack(fill=tk.X)
        tk.Label(title, text="画像スライドショー",
                 font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
                 bg="#3776ab", fg="white").pack()

        ctrl = ttk.LabelFrame(self.root, text="操作", padding=10)
        ctrl.pack(fill=tk.X, padx=15, pady=8)
        ttk.Button(ctrl, text="フォルダ選択", command=self.choose_folder).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
        ttk.Button(ctrl, text="◀ 前へ", command=self.prev_img).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
        ttk.Button(ctrl, text="▶ 再生", command=self.play).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
        ttk.Button(ctrl, text="■ 停止", command=self.stop).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
        ttk.Button(ctrl, text="次へ ▶", command=self.next_img).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
        ttk.Label(ctrl, text="間隔(秒):").pack(side=tk.LEFT, padx=(20, 4))
        self.interval_var = tk.DoubleVar(value=3.0)
        ttk.Spinbox(ctrl, from_=0.5, to=30.0, increment=0.5, width=6,
                    textvariable=self.interval_var).pack(side=tk.LEFT)

        self.canvas = tk.Canvas(self.root, width=720, height=420, bg="#222",
                                highlightthickness=0)
        self.canvas.pack(padx=15, pady=10)

        self.status = tk.Label(self.root, text="フォルダを選択してください",
                               bg="#f8f9fc", fg="#555")
        self.status.pack()

        # キーバインド
        self.root.bind("<Left>", lambda e: self.prev_img())
        self.root.bind("<Right>", lambda e: self.next_img())
        self.root.bind("<space>", lambda e: self.toggle())

    def choose_folder(self):
        """画像フォルダを選択する"""
        path = filedialog.askdirectory(title="画像フォルダを選択")
        if not path:
            return
        try:
            files = sorted(
                os.path.join(path, f) for f in os.listdir(path)
                if f.lower().endswith(SUPPORTED_EXTS)
            )
        except OSError as e:
            messagebox.showerror("エラー", str(e))
            return
        if not files:
            messagebox.showinfo("情報", "対応画像が見つかりません")
            return
        self.images = files
        self.idx = 0
        self._show_current()

    def _show_current(self):
        """現在のインデックスの画像を表示する"""
        if not self.images:
            return
        path = self.images[self.idx]
        try:
            if PIL_AVAILABLE:
                img = Image.open(path)
                img.thumbnail((720, 420))
                self._tk_img = ImageTk.PhotoImage(img)
            else:
                # 標準 tkinter は PNG/GIF のみ
                self._tk_img = tk.PhotoImage(file=path)
        except Exception as e:
            self.status.config(text=f"読込失敗: {os.path.basename(path)} ({e})")
            return
        self.canvas.delete("all")
        self.canvas.create_image(360, 210, image=self._tk_img)
        self.status.config(
            text=f"{self.idx + 1} / {len(self.images)}  {os.path.basename(path)}"
        )

    def next_img(self):
        """次の画像へ"""
        if not self.images:
            return
        self.idx = (self.idx + 1) % len(self.images)
        self._show_current()

    def prev_img(self):
        """前の画像へ"""
        if not self.images:
            return
        self.idx = (self.idx - 1) % len(self.images)
        self._show_current()

    def play(self):
        """自動再生を開始する"""
        if not self.images:
            messagebox.showinfo("情報", "先にフォルダを選択してください")
            return
        self.playing = True
        self._tick()

    def stop(self):
        """自動再生を停止する"""
        self.playing = False
        if self._after_id is not None:
            self.root.after_cancel(self._after_id)
            self._after_id = None

    def toggle(self):
        """再生/停止を切り替える"""
        if self.playing:
            self.stop()
        else:
            self.play()

    def _tick(self):
        """一定間隔で次の画像へ進める"""
        if not self.playing:
            return
        try:
            self.interval_ms = max(500, int(self.interval_var.get() * 1000))
        except (ValueError, tk.TclError):
            self.interval_ms = 3000
        self.next_img()
        self._after_id = self.root.after(self.interval_ms, self._tick)


if __name__ == "__main__":
    root = tk.Tk()
    app = App074(root)
    root.mainloop()

5. コード解説

画像スライドショーのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。

クラス設計とコンストラクタ

App074 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド10個・全159行)。__init__ ではタイトル「画像スライドショー」とウィンドウサイズ 760x601 を設定します。あわせて状態を保持する変数(self.idxself.interval_msself.playingself._after_id)を初期化し、最後に _build_ui() で画面を組み立てます。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

ウィジェット構成

画面は tk.Frametk.Label×2・ttk.LabelFramettk.Button×5・ttk.Labelttk.Spinboxtk.Canvastk.PhotoImage で構成しています。見出し付きの枠(LabelFrame)は「操作」のラベルでエリアを区切っています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

イベント処理とボタンの接続

「フォルダ選択」ボタン(choose_folder())・「◀ 前へ」ボタン(prev_img())・「▶ 再生」ボタン(play())・「■ 停止」ボタン(stop())・「次へ ▶」ボタン(next_img())を command= で接続しています。また bind("<Left>", ...) から prev_img()bind("<Right>", ...) から next_img()bind("<space>", ...) から toggle() を呼べるようにイベントも登録しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

例外処理

try-except で ExceptionImportErrorOSErrorValueErrortk.TclError を捕捉しています。あわせて messagebox.showerror()messagebox.showinfo() のダイアログで、ユーザーへの通知・確認を行います。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

6. ステップバイステップガイド

このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。

  1. 1
    ファイルを作成する

    新しいファイルを作成して app074.py と保存します。外部ライブラリ PIL を使います。先に pip install Pillow を実行してください。(import 名と pip のパッケージ名が異なる点に注意:PILPillow でインストールします)

  2. 2
    クラスの骨格を作る

    App074 クラスを定義し、__init__ と、末尾の root = tk.Tk()mainloop() の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。

  3. 3
    ウィンドウを設定する

    title("画像スライドショー")geometry("760x601")configure(bg="#f8f9fc")minsize(760, 601) をコンストラクタで設定します。

  4. 4
    画面部品を並べる

    _build_ui() の中で、tk.Frametk.Label×2・ttk.LabelFramettk.Button×5・ttk.Labelttk.Spinboxtk.Canvastk.PhotoImage を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。

  5. 5
    イベントを接続する

    「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを command= で対応するメソッド(choose_folder()prev_img()play()stop()next_img())につなぎます。bind("<Left>", ...)bind("<Right>", ...)bind("<space>", ...) の登録も忘れずに。

  6. 6
    中心になるメソッドを実装する

    アプリの本体である _tick()(10行)・choose_folder()(19行)・play()(7行)など を実装します。

  7. 7
    動作確認する

    python app074.py で起動し、各ボタンが反応すること・キー操作(<Left><Right><space>)が効くことを確認します。

7. カスタマイズアイデア

基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。

💡 ダークモードを追加する

bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。

💡 結果をファイルに保存する

このコードに保存処理はないため、表示中の数値や結果はアプリを閉じると消えます。テキストファイルへ書き出して、次回起動時に読み込む機能を追加してみましょう。

💡 設定ダイアログ

フォントサイズや色などの設定をユーザーが変更できるオプションダイアログを追加しましょう。

8. よくある問題と解決法

❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う

原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。

解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。

<Left> キーを押しても反応しない

原因:bind("<Left>", ...) はウィジェット単位で登録されるため、ウィンドウ(またはバインド先)にキーボードフォーカスが無いとイベントが届きません。

解決法:一度ウィンドウ内をクリックしてフォーカスを与えてから、キーを押してください。

❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない

原因:geometry("760x601") の固定サイズで起動するためです。

解決法:geometry()minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(760, 601) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。

9. 練習問題

アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は定型の発展課題です)。画像が3枚以上入ったフォルダを1つ用意すれば、どちらの課題も確かめられます(課題のために新しく入れるライブラリはありません)。Pillow を入れていない環境でも、コード上部の try / except ImportError により起動はできるので、tkinter が標準で読める PNG か GIF を入れておいてください。

  1. 課題1:最後の画像まで来たら自動再生を止める

    自動再生はいま、最後まで行くと先頭に戻って延々と繰り返します。最後の画像を映したところで止まるようにしましょう。

    期待結果:画像5枚のフォルダを開き、1枚目から「▶ 再生」する。ステータスが 2 / 5 → 3 / 5 と進み、「5 / 5」で自動的に止まる(いまは 5 / 5 の次に 1 / 5 へ戻る)。

    合格条件

    • 「5 / 5」で自動再生が止まり、そのあとカウントが動かない
    • 手動の「次へ ▶」と → キーは、今までどおり 5 / 5 の次に 1 / 5 へ戻る
    • 止まったあと「◀ 前へ」で戻して「▶ 再生」すると、また進む

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは1か所です。_tick()self.next_img() の前に判定を足します。next_img() そのものは触りません。
    ヒント②(使うもの): self.idx は0から始まるので、最後の画像は len(self.images) - 1 です。if self.idx == len(self.images) - 1: なら self.stop() を呼んで return しましょう。stop()playing を False にして、予約済みの afterafter_cancel() で取り消してくれる仕組みです。
    つまずきやすい点: 判定を next_img() の側に書くと、「次へ ▶」ボタンと self.root.bind("<Right>", ...) の → キーまで最後で止まります。self.next_img() の後ろに置くと、最後の1枚を映した瞬間に止まるため、「5 / 5」が表示間隔のぶん残らずに終わります。止まる位置は同じでも、最後の画像を見る時間が無くなる点に注意してください。なお最後の画像を映した状態で「▶ 再生」を押すと、play() がすぐ _tick() を呼ぶため、その場で止まって何も起きないように見えます。

  2. 課題2:再生中か停止中かをステータスに出す

    いまのステータスは「2 / 5 photo.jpg」だけで、自動再生が動いているのか止まっているのか分かりません。状態も一緒に出しましょう。

    期待結果:「▶ 再生」中は「2 / 5 photo.jpg ▶ 再生中」と出る。「■ 停止」を押すと、画像はそのままで同じ行が「2 / 5 photo.jpg ■ 停止中」に変わる。

    合格条件

    • フォルダを選んだ直後(まだ再生していない)は「■ 停止中」と出る
    • 自動再生中は画像が切り替わるたびに「▶ 再生中」が付いたままになる
    • スペースキーで再生と停止を切り替えても、表示が追いつく

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは2か所です。_show_current()self.status.config(...) と、stop() の末尾です。
    ヒント②(使うもの): state = "▶ 再生中" if self.playing else "■ 停止中" を作り、f 文字列の末尾に足します。stop() の最後で self._show_current() を呼べば、画像はそのままで文字だけ書き換わる仕組みです。
    つまずきやすい点: play()stop() の中で self.status.config(...) を直接書くと、次の画像に進んだ瞬間に _show_current() が同じラベルを丸ごと上書きするので消えます。stop()self._show_current() を足し忘れた場合は、止めても「▶ 再生中」が残ったままです。画像が切り替わらない=ステータスも更新されないためで、エラーは出ません。

  3. 課題3:保存機能の追加

    処理結果をファイルに保存する機能を追加しましょう。

🚀
次に挑戦するアプリ

このアプリをマスターしたら、次のアプリに挑戦しましょう。

🐛
エラーが出て動かないときは

写経中に赤いエラー文が出たら、Pythonエラー一覧&解決法(英語メッセージ逆引き)で原因と直し方をすぐ確認できます。

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