初心者向け No.077

色当てゲーム

表示されたRGB値の色を選択肢から当てるゲーム。色の感覚を養いながらCanvas描画を学べる。

🎯 難易度: ★☆☆ 📦 ライブラリ: tkinter(標準ライブラリ) ⏱️ 制作時間: 30〜90分

1. アプリ概要

表示されたRGB値の色を選択肢から当てるゲーム。色の感覚を養いながらCanvas描画を学べる。

このアプリはgamesカテゴリの実践的なPythonアプリです。使用ライブラリは tkinter(標準ライブラリ)、難易度は ★☆☆ です。

このアプリは「ゲーム」カテゴリです。ゲーム実装は GUI イベント処理・状態管理・描画ループを同時に学べる教材で、画面・入力・ロジックの三層分離の感覚が掴めます。tkinter(標準ライブラリ) を活かして実装するこの構造は、他のアプリにも応用が効きます。

コードを読む前に実行することをおすすめします。動いている挙動を先に把握しておくと、解説で出てくる関数や処理がどこに対応するかが頭に入りやすくなります。

応用のヒントは、機能を 1 つ増やす・見た目を整える・例外を一つでも丁寧に扱う、のいずれかから始めるのがおすすめです。

色当てゲーム 実行画面(Windows)
実行画面(Windows)
色当てゲーム 実行画面(Linux Mint)
実行画面(Linux Mint)

2. 機能一覧

  • 「次の問題」ボタン(new_round())・「リセット」ボタン(reset())で操作
  • マウス操作 <Button-1> から _on_click() を実行
  • messagebox.showinfo() によるダイアログ通知
  • ウィンドウはタイトル「色当てゲーム」・サイズ 520x534 で起動

3. 事前準備・環境

ℹ️
動作確認環境

Python 3.10 以上 / Windows 11(実機)で起動・基本操作を確認 / Linux Mint 22.3(仮想マシン)で起動・画面表示を確認(macOS は未検証)

Windows 11(実機)で起動と基本操作を確認しています(全機能の網羅テストではありません)。Linux Mint 22.3(仮想マシン)では起動と画面表示を確認しました。macOS は標準ライブラリの範囲で動作する想定ですが、未検証です。

  • Python 3.10 以上
  • OS: Windows 11(実機で起動・基本操作を確認)・Linux Mint 22.3(仮想マシンで起動・画面表示を確認)

4. 完全なソースコード

💡
コードのコピー方法

右上の「コピー」ボタンをクリックするとコードをクリップボードにコピーできます。

追加インストール不要(標準ライブラリのみ使用)
app077.py
import random
import tkinter as tk
from tkinter import ttk, messagebox


class App077:
    """色当てゲーム"""

    NUM_CHOICES = 6  # 選択肢の数

    def __init__(self, root):
        self.root = root
        self.root.title("色当てゲーム")
        self.root.geometry("520x534")
        self.root.minsize(520, 534)
        self.root.configure(bg="#f8f9fc")
        self.score = 0
        self.attempts = 0
        self.answer_index = 0
        self.colors = []
        self._build_ui()
        self.new_round()

    def _build_ui(self):
        """UIを構築する"""
        title_frame = tk.Frame(self.root, bg="#3776ab", pady=12)
        title_frame.pack(fill=tk.X)
        tk.Label(
            title_frame, text="色当てゲーム",
            font=("Noto Sans JP", 16, "bold"),
            bg="#3776ab", fg="white"
        ).pack()

        main = tk.Frame(self.root, bg="#f8f9fc", padx=18, pady=14)
        main.pack(fill=tk.BOTH, expand=True)

        # お題RGB
        self.question_var = tk.StringVar()
        tk.Label(main, textvariable=self.question_var, bg="#f8f9fc",
                 font=("Noto Sans JP", 14, "bold")).pack(pady=4)

        tk.Label(main, text="↓ 上のRGB値に対応する色をクリック",
                 bg="#f8f9fc", font=("Noto Sans JP", 10)).pack()

        # キャンバス(色の選択肢を 2x3 で並べる)
        self.canvas = tk.Canvas(main, width=420, height=300, bg="#f8f9fc",
                                 highlightthickness=0)
        self.canvas.pack(pady=10)
        self.canvas.bind("<Button-1>", self._on_click)

        # スコア
        self.status_var = tk.StringVar()
        tk.Label(main, textvariable=self.status_var, bg="#f8f9fc",
                 font=("Noto Sans JP", 11)).pack(pady=4)

        # ボタン
        btns = tk.Frame(main, bg="#f8f9fc")
        btns.pack()
        ttk.Button(btns, text="次の問題", command=self.new_round).pack(side=tk.LEFT, padx=4)
        ttk.Button(btns, text="リセット", command=self.reset).pack(side=tk.LEFT, padx=4)

    def _random_color(self):
        """ランダムな (r,g,b) を返す"""
        return (random.randint(0, 255), random.randint(0, 255), random.randint(0, 255))

    def new_round(self):
        """新しい問題を生成"""
        self.colors = [self._random_color() for _ in range(self.NUM_CHOICES)]
        self.answer_index = random.randint(0, self.NUM_CHOICES - 1)
        r, g, b = self.colors[self.answer_index]
        self.question_var.set(f"お題: RGB({r}, {g}, {b})")
        self._draw_choices()
        self._update_status()

    def _draw_choices(self, highlight=None, mark_correct=None):
        """選択肢タイルを描画"""
        self.canvas.delete("all")
        cols = 3
        rows = (self.NUM_CHOICES + cols - 1) // cols
        cell_w = 420 // cols
        cell_h = 300 // rows
        self._tile_rects = []  # (idx, x1, y1, x2, y2)
        for i, (r, g, b) in enumerate(self.colors):
            cx = i % cols
            cy = i // cols
            x1 = cx * cell_w + 6
            y1 = cy * cell_h + 6
            x2 = (cx + 1) * cell_w - 6
            y2 = (cy + 1) * cell_h - 6
            color = f"#{r:02x}{g:02x}{b:02x}"
            outline = "#333"
            width = 2
            if highlight is not None and i == highlight:
                outline = "#ff5500"
                width = 4
            if mark_correct is not None and i == mark_correct:
                outline = "#00aa00"
                width = 4
            self.canvas.create_rectangle(x1, y1, x2, y2, fill=color,
                                          outline=outline, width=width)
            self._tile_rects.append((i, x1, y1, x2, y2))

    def _on_click(self, event):
        """タイルクリック判定"""
        for idx, x1, y1, x2, y2 in self._tile_rects:
            if x1 <= event.x <= x2 and y1 <= event.y <= y2:
                self.attempts += 1
                if idx == self.answer_index:
                    self.score += 1
                    self._draw_choices(mark_correct=idx)
                    self._update_status()
                    self.root.after(700, self.new_round)
                else:
                    self._draw_choices(highlight=idx, mark_correct=self.answer_index)
                    self._update_status()
                    messagebox.showinfo(
                        "残念!",
                        f"正解は緑枠のタイルでした。\n"
                        f"あなたの選択: RGB{self.colors[idx]}"
                    )
                    self.root.after(200, self.new_round)
                break

    def _update_status(self):
        """スコア表示更新"""
        rate = (self.score / self.attempts * 100) if self.attempts else 0
        self.status_var.set(
            f"正解 {self.score} / 出題 {self.attempts}(正答率 {rate:.0f}%)"
        )

    def reset(self):
        """スコアリセット"""
        self.score = 0
        self.attempts = 0
        self.new_round()


if __name__ == "__main__":
    root = tk.Tk()
    app = App077(root)
    root.mainloop()

5. コード解説

色当てゲームのコードを、実際に書かれている実装に沿って解説します。

クラス設計とコンストラクタ

App077 クラスにアプリの全機能をまとめています(メソッド8個・全141行)。__init__ ではタイトル「色当てゲーム」とウィンドウサイズ 520x534 を設定します。あわせて状態を保持する変数(self.scoreself.attemptsself.answer_index)を初期化し、そのあと _build_ui()new_round() の順に呼び出して初期状態を作ります。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

ウィジェット構成

画面は tk.Frame×3・tk.Label×4・tk.Canvasttk.Button×2 で構成しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

イベント処理とボタンの接続

「次の問題」ボタン(new_round())・「リセット」ボタン(reset())を command= で接続しています。また bind("<Button-1>", ...) から _on_click() を呼べるようにイベントも登録しています。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

クラス定数によるデータ定義

クラスの先頭でデータを定数として定義しています:NUM_CHOICES = 6。ロジックの中に直接書かず定数にまとめておくと、内容を変えたいときに1か所を書き換えるだけで済みます。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

例外処理を書いていない理由

このコードには try-except による例外処理がありません。テキスト入力欄がなくボタン操作だけで完結し、ファイルやネットワークへのアクセスも無い設計のため、例外を投げうる処理(型変換・ファイル/通信)がそもそも無いからです。入力欄やファイル保存を追加する改造をするときは、例外処理もセットで検討しましょう。

※ 該当部分のコード本体は 「4. 完全なソースコード」 をご参照ください(重複表示を避けるため再掲を省略しています)。

6. ステップバイステップガイド

このアプリをゼロから自分で作る手順を解説します。コードをコピーするだけでなく、実際に手順を追って自分で書いてみましょう。

  1. 1
    ファイルを作成する

    新しいファイルを作成して app077.py と保存します。使うのは randomtkinter だけなので、追加インストールは不要です。

  2. 2
    クラスの骨格を作る

    App077 クラスを定義し、__init__ と、末尾の root = tk.Tk()mainloop() の最小構成を書いて、まず空のウィンドウが出ることを確認します。

  3. 3
    ウィンドウを設定する

    title("色当てゲーム")geometry("520x534")configure(bg="#f8f9fc")minsize(520, 534) をコンストラクタで設定します。

  4. 4
    画面部品を並べる

    _build_ui() の中で、tk.Frame×3・tk.Label×4・tk.Canvasttk.Button×2 を作って配置します(掲載コードと同じ並び順で書くとレイアウトが一致します)。まず表示だけ確認しましょう。

  5. 5
    イベントを接続する

    「2. 機能一覧」で挙げた各ボタンを command= で対応するメソッド(new_round()reset())につなぎます。bind("<Button-1>", ...) の登録も忘れずに。

  6. 6
    中心になるメソッドを実装する

    アプリの本体である new_round()(8行)・_on_click()(20行)・reset()(5行) を実装します。

  7. 7
    動作確認する

    python app077.py で起動し、各ボタンが反応すること・マウス操作(クリック・ホイールなど)が効くことを確認します。

7. カスタマイズアイデア

基本機能を習得したら、以下のカスタマイズに挑戦してみましょう。

💡 ダークモードを追加する

bg色・fg色を辞書で管理し、ボタン1つでダークモード・ライトモードを切り替えられるようにしましょう。

💡 クラス定数を書き換えて動きを変える

データはクラス定数(NUM_CHOICES)にまとまっています。中身を書き換えて動きが変わることを確かめましょう。複数の定数が対応関係にある場合は、セットで整合させる必要がある点に注意してください。

💡 設定ダイアログ

フォントサイズや色などの設定をユーザーが変更できるオプションダイアログを追加しましょう。

8. よくある問題と解決法

❌ 文字のフォントが崩れる・見た目が違う

原因:このコードは font=("Noto Sans JP", ...) のようにフォント名を直接指定しています。環境にこのフォントが入っていないと、OS が代わりのフォントで表示するため、見本と見た目が変わることがあります。

解決法:動作には支障ありません。気になる場合は font 引数の名前を自分の OS に入っているフォントへ書き換えるか、font 引数を省略してください。

❌ ウィンドウの大きさが画面に合わない

原因:geometry("520x534") の固定サイズで起動するためです。

解決法:geometry()minsize() の両方の数値を書き換えて起動サイズを調整してください。なお、このコードにはウィンドウサイズを固定する設定(resizable の指定)が無いため、ウィンドウの端をドラッグしたサイズ変更は既定どおり可能です。ただし minsize(520, 534) を指定しているため、起動時の大きさより小さくは縮められません(縮めると画面部品が表示されなくなるのを防ぐためです)。

9. 練習問題

アプリの理解を深めるための練習問題です。気になるものから挑戦してみてください(課題3は定型の発展課題です)。お題と選択肢の色は random で毎回変わるので、期待結果の数字は出た色に読み替えてください。

  1. 課題1:お題に16進のカラーコードも出す

    いまのお題は RGB(18, 52, 86) の形だけです。CSSやHTMLでよく見る #123456 の形も並べて出しましょう。

    期待結果:お題が「お題: RGB(18, 52, 86) / #123456」のように、10進の3つ組と6桁のカラーコードの両方で出る

    合格条件

    • カラーコードが # +6文字になる(RGB が1桁の色でも桁が減らない)
    • 選択肢のタイルの色と、正誤の判定は今までどおり
    • 「次の問題」を押すと両方の表示が新しいお題に書き換わる

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは1か所です。new_round()self.question_var.set(f"お題: RGB({r}, {g}, {b})")(71行)です。
    ヒント②(使うもの): f"#{r:02x}{g:02x}{b:02x}" が90行に手本としてあります。タイルの色を作っているのと同じ書き方です。
    つまずきやすい点: f"{r:x}" と書くと、5 は 5 の1桁になります。02x02 が「2桁になるまで0で埋める」の指定です。これが無いと # の後ろが6文字に足りない色が出ます。18 は 12、255 は ff です。

  2. 課題2:外したときに正解の色との差を見せる

    外したときのダイアログは、自分が選んだ色しか教えてくれません。正解の色とどれだけ離れていたかを足しましょう。

    期待結果:外すと「正解は緑枠のタイルでした。」の下に「あなたの選択: RGB(10, 20, 30)」と「正解との差: R 5 / G 12 / B 3」のような行が並ぶ

    合格条件

    • 3つの差はすべて0〜255の範囲の整数になる
    • 正解したときはダイアログが出ない(今までどおり)
    • オレンジ枠と緑枠の表示は変わらない

    ヒント①(どこを触るか): 触るのは1か所です。_on_click()messagebox.showinfo(...)(116〜120行)に渡す文字列を書き換えます。
    ヒント②(使うもの): 選んだ色は self.colors[idx]、正解の色は self.colors[self.answer_index] で、どちらも (r, g, b) のタプルです。差は abs() で1つずつ引き算します。
    つまずきやすい点: タプル同士を引き算すると TypeError: unsupported operand type(s) for -: 'tuple' and 'tuple' になります。self.colors[idx][0] のように番号で取り出すか、zip() で組にしてから引いてください。

  3. 課題3:保存機能の追加

    処理結果をファイルに保存する機能を追加しましょう。

🚀
次に挑戦するアプリ

このアプリをマスターしたら、次のアプリに挑戦しましょう。

🐛
エラーが出て動かないときは

写経中に赤いエラー文が出たら、Pythonエラー一覧&解決法(英語メッセージ逆引き)で原因と直し方をすぐ確認できます。

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